ひざの痛みの疑問に答えます

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変形性膝関節症ひざ痛足・脚が痛い足・脚関節

【Q&A】階段を下りるときガクガクするのは?

階段を下りる時、ひざに力が入らないような感覚を覚えます。なんだかガクガクして手すりにつかまらないと不安です。
(60代 女性)

専門家による回答

これは2つの原因が考えられると思います。①つ目は変形性ひざ関節症で、内側の軟骨がすりへっている場合です。階段を下りる時、ひざには大きな力がかかるので、痛みが生じることが多いです。痛みを避けようとして、ひざに力が入らなくなり、がくがくする場合があります。
②つ目は膝蓋大腿関節(しつがいだいたいかんせつ)に障害がある場合です。膝蓋大腿関節とは、“ひざのお皿”と呼ばれる膝蓋骨と太ももの骨である大腿骨の間の関節のことを指します。
ひざをのばすのにかかわる大腿四頭筋が効率よく働くのに役立ちますが、階段を下りる時は、この関節に大きな負荷がかかるので、その関節が傷んでいると力が入らず、がくがくしてしまいます。

ひざを横から見た図

膝蓋大腿関節の軟骨の表面が軽く傷んでいる程度の場合は、エックス線検査ではとらえられません。その場合は、MRI検査を行って詳しく調べる必要があります。
階段の上り下りや立ち上がり動作で困るほどの痛みや違和感がある場合は病院へ行くことをお勧めします。まずは自分のひざの状態を知ることが大切です。

【Q&A】ひざねずみ(関節ネズミ)の対処法は?

深く座ったり、ひざを曲げた時に片ひざのみポキポキと音がなり、立ち上がり時に痛むように。
整形外科を受診した結果、ひざねずみ(関節ネズミ)と診断されました。医師からは、砕けた骨を除去する手術もあると聞きましたが、どうすればよいでしょうか。
(50代 女性)

専門家による回答

ひざねずみ(関節ネズミ)とは、剥がれた軟骨や骨のかけら(小骨片)が関節の中で移動して、ひっかかりや痛みが生じる状態のことを指します。正式には「関節内遊離体」と呼びますが、剥がれた軟骨や骨のかけらが関節内をねずみのように自由に動きまわることから、一般に「関節ねずみ」とも呼ばれています。

関節内遊離体(別名:関節ねずみ)

剥がれた小さい軟骨のかけらが、関節液からの栄養で丸く育つ場合があります。
ある程度の大きさになった時に、まれにひざ関節の狭い隙間に挟まってしまうこともあります。そうなると強い痛みを伴い、さらに関節の可動域制限(可動範囲制限)を起こす場合があり、最悪の場合は歩行が困難となることもあります。
そのような場合はすぐに整形外科を受診してください。検査の結果、関節の間に軟骨のかけらなどが見つかった場合は、関節用の内視鏡を使う、「関節鏡視下手術」で、そのかけらを取り除くことが可能です。この手術では、ひざに小さな穴を数か所開けて、そこから内視鏡と手術器具を挿入し、軟骨のかけらを取り除きます。小さな切開で行える手術のため、患者さんの負担は少なくて済みます。

ただ、必ずしも手術を受けなければいけないということではなく、しばらく様子を見ていると、関節ねずみが滑膜に取り込まれて移動しなくなり、症状が自然に消失する場合もあります。
日常生活であまり困っていなければ、経過観察するのも一つの方法です。

【Q&A】立ち上がる際にひざが痛む

高齢の母がおります。椅子に座って立ち上がった際に、ひざが痛くてすぐに歩き出すことができず、しばらくそこで落ち着くまで立ちどまってから、歩きだします。また、昔、ひざを痛めた事があるそうで、片足だけ歩き方がぎこちないです。さらに、若いときから、ひざを動かしたり、座ったりする時にひざがポキポキなっていたそうです。これは、ひざの負担になっていたのでしょうか。
(50代 女性)

専門家による回答

どの程度の痛みかは分かりませんが、「動かしはじめの痛み」というのは変形性ひざ関節症の典型的な症状であるため、変形性ひざ関節症の可能性が高いと考えられます。
また、若い時に傷めたのであれば、片方だけ症状が進んでいる可能性があります。まずは整形外科を受診するといいでしょう。ひざの状態がどうなっているのか知ることが大切です。
ひざがポキポキ鳴ることに関しては、痛みがなければ気にしなくて良いでしょう。だだし、音が鳴った後に痛みを伴い、しばらく動かすことが出来ない場合は注意が必要です。そのような場合も整形外科を受診してください。

【Q&A】半月板損傷でも正座をしたい

昨年、ウォーキング中の右ひざの打撲をきっかけにひざ痛に悩まされ、MRI検査の結果、半月板損傷と診断されました。現在、リハビリ中で、ひざの調子も大分良くなってきましたが、先生からは正座はしないようにと言われています。今は痛くて正座は無理ですが、いつかはできるようになりたいと思っています。そのための方法等ご教示いただきたいので、よろしくお願いいたします。
(60代 男性)

専門家による回答

くわしい症状は診察やMRI検査の結果で判断しないと分かりませんが、ひざを曲げ伸ばした時にひっかかりがなく、ひざがおおきく腫れていない状態であれば、少しずつストレッチを行うとよいでしょう。しかし、スクワットのような、しゃがむ動作はひざに負担がかかるため、座った状態からひざを抱え込むストレッチを行った方が安全です。ひざに痛みを少し感じる程度の強さで、地道に無理をせずに続けてみてください。

詳しい内容は、きょうの健康テキスト 2023年10月 号に掲載されています。

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