60歳以上の女性は要注意!「大たい骨内側か骨壊死症」の症状・検査・治療について

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ひざ痛 足・脚

急なひざの激痛に襲われる「大たい骨内側か骨壊死症」

ひざの「内側か」という大腿骨の一部

「大たい骨内側か骨壊(え)死症」は、ひざの「内側か」という大たい骨の一部が壊死する病気です。壊死の原因は、「微小な骨折」です。実は、骨の中には小さな穴がたくさん開いていて、そこには血管が通っています。血管によって送られてくる栄養で、骨細胞は生きることができています。しかし、大たい骨の端に位置する「内側か」が骨折を起こすと、軟骨に近い部分が離れ小島のようになってしまうため、どこからも血液が送り込まれなくなってしまします。そのため、骨の細胞が壊死を起こしてしまうのです。骨がもろくなる「骨粗しょう症」を起こしやすい60歳以上の女性に多い病気といわれています。

大たい骨内側か骨壊死症の特徴は、「急なひざの激痛」が起こることです。ほかにも、「ひざに腫れがあり脚がつけない」「片側に起きる」などの症状が起こります。骨がもろくなっている場合に、「急に走り出す」、「階段を降りる」など、何気ない日常の動作がきっかけとなり骨折が起きてしまうのです。

X線では診断できない!?「大たい骨内側か骨壊死症」の検査

大たい骨内側か骨壊死症が疑われた場合、「MRI検査」を行います。「X線検査」では診断ができない場合があるので注意が必要です。

大たい骨内側か骨壊死症のMRI検査とX線検査の画像

左の画像がMRI検査、右の画像がX線検査

こちらは、「大たい骨内側か骨壊死症」のMRI検査とX線検査の画像で、どちらも同じ患者さんのものです。MRI検査では、骨折した部分(黄色矢印)が黒くなっているため、異常が起きていることがわかりますが、X線検査では特に異常が見当たりません。
実は、X線では、起こしたばかりの微小な骨折を捉えきれない場合があるのです。体重をかけられないくらいの痛みが突然起こったのであれば、早めにMRI検査などの精密検査を受けることがすすめられます。

場合によっては限りなく元の状態に!「大たい骨内側か骨壊死症」の治療法

壊死範囲が小さい場合は、「安静」、「足底板」、「痛み止めの薬」、「骨粗鬆症の薬」、「運動」といった治療で痛みの改善や進行を防ぐことが可能で、問題なく日常生活が送れるようになる人も多いといわれています。それでも治らない場合は、「手術」を検討します。

人工ひざ関節全置換術と人工ひざ関節単か置換術
骨切り術

主な手術には、関節を人工関節に置き換える「全置換術」、「単か置換術」といった手術や、すねの骨を切り壊死した部分に負荷がかからないような角度で固定する「骨切り術」があります。変形性ひざ関節症でも行われる手術です。

また、「自家骨軟骨移植術」という手術も場合によっては行われます。

自家骨軟骨移植術

「自家骨軟骨移植術」は、まず、壊死した部分の軟骨と骨を切除し、そこに、別の部分からくり抜いてきた円柱状の骨と軟骨を移植する手術です。軟骨と骨の柱は、体重を支える部分ではなく、大きな力がかからない部分から採取します。

この手術は、ひざの状態がかなり元の状態に戻るので、治療後には激しい運動が再びできるようになります。壊死した範囲が広い、骨粗しょう症、変形性ひざ関節症の人には向いていませんが、ひざの状態によっては手術が可能な場合もあります。詳しくは、主治医にご相談ください。

詳しい内容は、きょうの健康テキスト 2021年5月号に詳しく掲載されています。

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