世界が注目!睡眠を改善する「ヨガ」のチカラ

更新日

不眠症眠れない・眠りが浅い

日本では5人に1人が悩んでいるという「睡眠」。その改善に役立つとして、いま世界で注目を集めているのが「ヨガ」。科学的に実証が進む研究の最前線を取材しました。

睡眠を改善するヨガ

科学で実証!ヨガの睡眠改善効果

今回、取材したのは、ハーバード大学医学部准教授のサット・ビア・シン・カルサさん。長年、ヨガと睡眠の関係について研究してきた第一人者です。2021年に発表した研究では、6か月以上不眠に悩む40人を「ヨガを行うグループ」と「睡眠の環境改善や運動を行うグループ」に分け、8週間後の変化を調べました。その結果、ヨガを行ったグループの方が睡眠の改善の程度が高いことが分かりました。

サット・ビア・シン・カルサさん

ヨガと睡眠環境改善を行った時の入眠時間と睡眠効率の比較したグラフ

※出典:Sat Bir S. Khalsa, et al. Treatment of chronic primary sleep onset insomnia with Kundalini yoga: a randomized controlled trial with active sleep hygiene comparison. J Clin Sleep Med. 2021.

「不安」の緩和が睡眠に効果?

滋賀医科大学医学部附属病院の睡眠センターでは、不眠の治療にヨガを取り入れるための臨床研究が行われています。
研究を行う精神科医の森田幸代さんは、元々、がん患者の不安症状を緩和するためにヨガを取り入れていました。その中で、多くの患者から「眠れるようになった」という感想があったことをきっかけに、ヨガの「不安」改善効果に注目。不眠患者にも応用できるのではないかと、研究を始めたといいます。

精神科医の森田幸代さん

不眠患者が行うのは、日本ヨーガ療法学会が考案した椅子に座ってできる容易なヨガ。体の部位ごとに力を入れて緩めてを繰り返していくものです。ポイントは「んー」と声を出しながら息を吐くこと。しっかり息を吐き切ることが大切だといいます。
森田さんは「不安が原因で眠れない人は多い。そんな人たちがヨガを行うことで不安がなくなり眠れるようになることを期待している」と話しています。

精神科医の森田幸代さん

この記事は以下の番組から作成しています。

東洋医学ホントのチカラ

東洋医学ホントのチカラ「心と体を整えるSP」

2023年3月20日(月) 午後7:30~ [総合]

NHKオンデマンド 配信ページはこちら