放送研究と調査(月報) - 目次

各国の「放送界の動き」に関する情報を掲載しています。

放送界の動き

2013年2月

2.1 テレビ放送開始60年,NHK×日本テレビ初のコラボレーション番組を放送

日本のテレビ本放送が始まってこの日でちょうど60年を迎えた。日本で初めにテレビの本放送を開始したのはNHKで,60周年を記念してこの日を中心に関連の特集番組を編成したほか,初めての試みとして,2夜にわたって,同じく2013年8月に60周年を迎える日本テレビとのコラボレーション番組を放送した。

2.2 東京スカイツリー,受信確認テスト放送拡大

NHKと在京民放5社は,2013年5月の東京タワーから東京スカイツリーへの送信所移転に向けた準備として12年12月から土曜日早朝に共同で行ってきた受信確認のための試験放送を,この日から土曜日夕刻を加えた1日2回に拡大した。拡大後最初の試験放送となった2月2日に各社共同の相談窓口に寄せられた問い合わせ件数は4,987件(うち要対策件数1,308件)で,試験放送が始まった12年12月から1月までの問い合わせ件数5,856件(うち要対策件数1,348件)に迫る数字となった。

2.9 「中学生日記」が国際エミー賞を受賞

NHKのドラマ「中学生日記」が,世界の優れたテレビ番組に贈られる「国際エミー賞」の子どもシリーズドラマ部門で最優秀賞に選ばれた。「中学生日記」は2012年3月に放送終了しているが,制作にあたってきたNHK名古屋放送局は前身となる番組も含めて50年間,中学生の抱える,その時代の悩み,葛藤を描き多くの共感を得てきた。NHKでは受賞の対象となった「僕と君のメロディ」(2011年9月2日放送)を3月2日に再放送した。

2.13 番組の海外転送サービスに関する訴訟最高裁が業者側の上告を棄却決定

国内の放送を受信し,海外の利用者に転送するサービスを,「まねきTV」「ロクラク」の名称で行っていた2業者に対し,著作権侵害にあたるとして損害賠償等を命じた知財高裁判決(2012年1月)に対する両業者の上告を退ける決定を最高裁が行った。今回の決定で著作権侵害が確定したが,問題となった著作物の権利保護と利用のあり方については,クラウドの拡大や,ネットを利用する機器,サービスの開発が加速する状況下で様々に検討が続けられている。

2.19 災害時,店舗でラジオ放送による情報提供首都圏10局とJFAが協定

日本民間放送連盟に加盟する首都圏の民放ラジオ局10社と日本フランチャイズチェーン協会(JFA)は,震度5強以上の地震や大規模な災害が発生した際,加盟するコンビニエンスストアなどの店舗でラジオを流し,情報が遮断されるおそれのある帰宅困難者に緊急情報を提供する協定を結んだ。東京,神奈川,千葉,埼玉の4都県で大手コンビニチェーンやTSUTAYA, 吉野家など19社, およそ1万7,000店舗で実施される。

2.25 アジア太平洋地域で民放コンテンツ提供へ新会社設立し放送開始

日本の民放のコンテンツをアジア太平洋地域で提供しようと,電通と民放各社などが出資して新会社を設立し,この日からシンガポールで放送を始めた。日本のプレゼンスや日本企業のブランドイメージを高めることも目的としている。放送エリアは今後,インドネシア,フィリピン,香港,マレーシア,タイ,オーストラリア,ベトナム,インド,韓国,台湾のあわせて11の国と地域に広げる予定。

2.27 「放送ネットワークの強じん化に関する検討会」始まる

東日本大震災の災害情報伝達においては,ラジオの有用性が強く認識された。一方で特にAMラジオについては,都市難聴や送信所の老朽化・更新,リスナー離れや広告収入減少などの課題が山積している。検討会第1回では,こうしたラジオ局の経営問題も含め“強靭化”を図るべきだとの意見が出された。会は今後4回行われ,6月には中間とりまとめが行われる予定。