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「放送ネットワークの強じん化に関する検討会」始まる

東日本大震災で,ラジオは災害情報伝達手段としての有用性を高く評価された。しかしAMラジオにおいては,水辺近くの送信所の防災対策や老朽化,都市難聴などの課題が山積しており,今後も適切に災害情報を伝達するには,これらの課題を解決する放送ネットワークの強靭化が必須であるという。こうした課題を受けて,この検討会は発足した。

2月27日の初会合に出席した新藤総務大臣は,会には短期・中長期の使命があるとした。短期は,平成26年度予算の概算要求に反映するための必要な措置の検討,中長期は,将来のラジオのあり方を議論することである。中長期について大臣は,「誰かが何処かで方向性を示す時期が近付いている」と強調した。

実は今回提示されたAMラジオの課題は,大震災前から指摘されていたものばかりであった。これまでは,その解決策としてV-Lowによるデジタル化が模索されてきたが,各局の足並みが揃わず,最近では在京キー局を始めFM 転換を希望する声も出てきている。2月28日の民放連ラジオ委員会では,デジタル化かFM 転換かAM残留かなど,各局の意向が示された。2回目の検討会が行われる3月末頃には,民放連として何等かの報告が総務省に行われると思われる。

今後の検討会は,こうした各局の意向も踏まえた議論が展開されるであろう。長年の議論に終止符を打つような,将来のラジオの絵姿が提示される会となるのか,だとすればそれはどのような絵姿なのか。それとも短期的な強靭化措置の議論に留まるのか。6月の中間とりまとめまで注目していきたい。

村上圭子