放送研究と調査(月報) - 目次

各国の「放送界の動き」に関する情報を掲載しています。

放送界の動き

PBSニュースのみ,「信頼する」が「信頼しない」上回る

米国のニュースメディアの中で公共放送PBSを信頼すると答えた人は52%で,信頼しないとする29%を上回り,調査対象8つのメディアで唯一,視聴者の支持を得た。政治意識や選挙に関する調査で定評のあるパブリックポリシーポーリング(PPP)社が2月6日,明らかにした。4大ネットワークやCNNはいずれも信頼しない方が多かった。特に保守系のFOXは不支持が顕著で,4年前の2009年には信頼するが49%,信頼しないが37%だったものが,今年はそれぞれ41%,46%となった。また,民主党支持
者はFOX以外は信頼すると答え,共和党支持者はFOX 以外は信頼しないという傾向も続いている。

米コムキャスト,NBCUを完全子会社化へ

ケーブルテレビ最大手のコムキャストは2月12日,ゼネラル・エレクトリック社が保有するNBCユニバーサル株49%を167億ドルで買い取ることを明らかにした。コムキャストは2011年に司法省の認可を得てNBCU株51%を取得しており,経済の回復で業績が好調なことから,予定より数年早く3月末にNBCUを完全子会社化する。さらに,ニューヨーク市中心部マンハッタンのロックフェラーセンターにあり観光名所にもなっているNBCUスタジオなども取得し,地上ネットワークに加え,テーマパーク,映画スタジオ,多数のケーブル局などを所有する複合メディア企業としての基盤を固めつつある。

米タイム・ワーナー,雑誌部門を分離か

メディア・コングロマリットのタイム・ワーナー(TW)が雑誌部門のタイム社を別会社化する方向で検討に入っていると,2月13日付のニューヨークタイムズが伝えた。それによると女性誌などを発行するメレディス社と合弁会社を作り,ピープルなどの生活文化系の雑誌を移すが,タイムやスポーツイラストレイテッド,フォーチュンなどニュース情報系雑誌は引き続きTWが発行するとしている。この報道についてTWはコメントを出していない。テレビや映画など好調な映像部門に対して退潮が目立つ活字部門を分離する動きは,同じメディア複合企業のニューズ・コープなどでも見られる。

全米2月のテレビ視聴率でCBSが15年ぶりに首位奪還

アメリカンフットボールのスーパーボウルやグラミー賞の授賞式の中継などにより,CBSが全米の2月の視聴率競争で15年ぶりに首位に返り咲いたことが明らかになった。ニューヨークタイムズが2月26日の時点で報じたところによると,2月のプライムタイムの平均視聴者数はCBSが1,546万人で首位に立ち,これに次いでABCが732万人,FOXが610万人,NBCが396万人の順だった。CBSが前回首位になったのは長野オリンピックを放送した1998年2月のことである。

メキシコのテレビサ,大統領選報道をめぐって対立してきた英ガーディアン紙と和解

メキシコ最大のテレビ局テレビサ(Televisa)は同社の報道をめぐってイギリスの全国紙ガーディアンと対立してきたが,2月5日,両者は和解に達したことを発表した。ガーディアンは2012年6月に,テレビサがメキシコの大統領選で特定の候補に有利な報道をするよう買収を受けたとする記事を掲載した。一方テレビサはガーディアンの報道には根拠がないとしてメキシコ国内の裁判所に提訴していた。和解でガーディアンは報道内容には根拠がなかったことを認めた。

ベネズエラ,地上デジタルテレビ放送開始,反政府系テレビ局は排除

南米ベネズエラでは2月20日,都市部などで日本方式による地上デジタルテレビ放送が始まった。しかし,同国で唯一チャベス政権に批判的な姿勢を示してきた民放のグロボビシオン(Globovisión)にはチャンネルが割り当てられず,同局はアナログ放送終了と同時に放送ができなくなる可能性が出てきた。複数ある国有テレビ局や政府寄りとされる民放などにはチャンネルが割り当てられており,グロボビシオンでは政府による恣意的な排除だとしている。アナログ放送終了時期は2015年とされている。