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アジア太平洋地域で民放コンテンツ提供へ新会社設立し放送開始

日本の民放のコンテンツをアジア太平洋地域で提供しようと,電通と民放各社などが出資して新会社を設立し,2013年2月25日からシンガポールで放送を始めた。

これは,成長市場として期待されるアジア太平洋地域で日本の放送コンテンツを売り込み,日本のプレゼンスや同地域に進出する日本企業のブランドイメージを高めようと,「Hello! Japan」の名称でシンガポールのケーブルテレビ局の無料チャンネルとして始まった。日本の民放各局が制作したアニメやバラエティー,ドラマ,音楽,スポーツなどのコンテンツを24時間の総合編成にして,英語の字幕をつけて放送している。

出資しているのは,日本テレビ,テレビ朝日,TBS,テレビ東京などの在京キー局のほか,電通,イマジカ・ロボットや北海道テレビ,小学館集英社プロダクションとシンガポールの投資会社のあわせて9社。海外で日本の放送コンテンツはこれまで,NHKワールドによる放送か,各国の放送局が独自に購入してそれぞれ放送してきたが,民放などが共同で海外展開に乗り出すのは今回が初めての取り組みとなる。

放送エリアはシンガポールのほか,今後はインドネシア,フィリピン,香港,マレーシア,タイ,オーストラリア,ベトナム,インド,韓国,台湾のあわせて11の国と地域に広げ,英語以外の字幕も検討する。

参加各社のニュースリリースによると,各国はそれぞれの国の文化への理解や好感度を高めてもらうために,放送コンテンツの輸出に力を入れている。日本も競争力のあるコンテンツを提供していく必要がある,としている。

関谷道雄