寒くなって盛り上がるスポーツにラグビーがあります。人気の大学ラグビーや社会人のリーグ戦が始まると、春先までが日本のラグビーシーズンです。
わたし自身ラグビーの経験はありませんが、大学時代、先輩と競技場でラグビーの試合観戦をして以来、大のラグビーファンになりました。
今回はその大好きなラグビーの取材でしたが、高校ラグビーで15人集まらず試合ができない4校が集まった“合同チーム”をご紹介しました。少子化の影響や、ラグビー人気の低迷などでしょうか、最近各地で合同チームを結成するケースが見られるようになりました。
和歌山でも毎年のように合同チームが結成されており、ことしは田辺工業高校、星林高校、和歌山東高校、桐蔭高校の4校がチームを組めず、10月末の県大会に向けた合同チームが結成されました。この4校のうち、田辺工業高校と和歌山東高校の2校について練習を取材しました。
まず、田辺工業高校。部員が10人ほどで、練習はグラウンドではなくなんと校舎の正面玄関でアスファルトの上でした。グラウンドがほかの部活で使われているため、スペースが狭くボールを使った練習時間も短いため、トレーニングの割合が高いそうです。
坂道や階段でのダッシュ、学校周辺での走りこみなど、レベルアップを図っていました。
和歌山東高校は練習日の半分がコーチ不在で、選手たち自身で練習内容を考えなければなりません。3年生が練習をひっぱり、下級生へアドバイスを送るなど熱心な練習が行われていました。
日が落ちて、野球部やサッカー部などグラウンドを共用している部が練習を終えた後、ラグビー部はナイター照明の下最後まで練習を続け、広々としたグラウンドを走り回っていました。
各校共、部員数が少ないながらもしっかり学校で練習を重ね、週に一度の合同練習に臨む選手たち。取材に行った日は二回目の集合日で、初めての練習試合。相手は春の県大会ベスト4の実力校・和歌山北高校。
前半は個々の能力を生かした合同チームにいいプレーが随所に見られ、ほぼ互角の展開。自陣からでもキックと見せかけ、巧みなステップで相手をかわして攻め上がったり、力強いタックルで突進を止めたりと、個々の高い能力を発揮することができました。
そして、0-0からの前半10分に合同チームが見事トライ。素早いバックスの展開で、相手のディフェンスもついていけない状態にさせてのトライでした。ただ、後半は劣勢。
ボールをキープできず相手に奪われたり、連携ミスが続いたりしてトライを重ねられ、結局36-12で合同チームは敗れました。
ラグビーでいうと、それほどの大差ではありませんが、後半は少し運動量が落ちて相手に突き放された感がありました。
試合後の反省では今後、前・後半走り続けられる体力をつけることと、選手間の連携を良くしていくということでした。わたしも、スクラムやラインアウトといったセットプレーや、モールなど組織で対応する部分の連携・強化ができるようになれば、チーム力は格段に上がると感じました。それは、これらのプレーができていない状態でもさほど試合が壊れなかったからです。
本番まであと何度か合同練習の機会もあるので、チームプレーを高めていければ楽しみです。初戦は10月31日、田辺高校戦。悔いの残らないプレーを期待したいと思います。