今回ご紹介したのは、和歌山県内を中心に店舗を展開するスーパーマーケット・マツゲンの相撲部です。
昼間はスーパーで働き、夜に専用の土俵でけいこをする毎日。
地域を相撲で盛り上げるべく活動する彼らは、5年後に迫った和歌山国体に向けて更にチーム力をアップさせようと、大学相撲で全国トップレベルの成績を残した3人の選手を獲得。
相撲で和歌山を盛り上げていこうという姿をリポートしました。
有望な新人の一人が、放送でもご紹介した森本太良(たろう)選手。
拓殖大学相撲部の出身で、去年の全国学生相撲選手権大会で優勝し、学生横綱の称号を手にしました。力強く前に出る相撲を持ち味にしていて、けいこを見ていても安定した強さが感じられました。
森本選手は大相撲の道を選ばず、数ある実業団の相撲チームの中でマツゲン相撲部に入りました。「自分は料理が好きで、将来は調理師免許を取得して、好きな相撲も続けながらおいしい料理をたくさんの人に提供したい」という夢があるといい、この相撲部を選んだといいます。
入社して配属されたのが、そうざいを扱う部署。まだ入社間もないため、品物の陳列やお客さんへの声かけが主な仕事ですが、人繰りの関係でたまには調理をすることもあるそうです。これから経験を積んで、お客さんにおいしい料理を提供し続けて欲しいと思います。
さて放送では、地元の高校相撲部との合同けいこの様子なども紹介し、いかに地域に愛される存在かという部分に焦点をあてました。地域に貢献していこうという姿はこれにとどまりません。今年に入って部に新たなものが登場しました。
こちらが、ちゃんこ用の大きな鍋。イベントなどの場で、集まった相撲ファンにふるまおうと用意したもので、二つ合わせて600食もの鍋を作ることができるものなんです。すでにことし5月に和歌山で行われた相撲の大会で来場者にふるまわれ、全てなくなるほど好評だったということです。
相撲部では、この後もこの鍋をことあるごとに登場させる予定で、鍋が恋しくなる秋以降には店頭でお客さんにふるまうことも計画中です。こんなに大きな鍋を購入したのも、相撲を通じて地域の人たちに元気を与えたいという思いを常に持っているからです。
3人の有望な新人が加入したことでさらに力がついた相撲部は、先月に和歌山で行われたアマチュア相撲の全国大会・団体でみごと3位に入賞。全国規模の大会でベスト4以上に入ったのは部の創設以来初めてだったということでした。これまでより更に勢いを増して活動を続けるマツゲン相撲部。これからも、和歌山を元気づける存在でいて欲しいと思います。