今回の「スポーツ1番!」では、4月24日、25日に和歌山市の和歌山マリーナシティで行われる水上オートバイの大会「フリースタイル全日本選手権」の見どころをご紹介しました。
フリースタイル競技とは、水上オートバイに乗って海上で宙返りをしたり、スピンしたりして、その得点を競うというものです。過去の大会の映像をご紹介しましたが、迫力満点。和歌山マリーナシティでは、陸地からすぐの距離で演技が行われますので、臨場感もかなりのものです。
競技の中で目を引くのが、宙返りなどの飛び技。どのように技を繰り出していくのでしょうか。ポイントは、技に入る前の動き。波を作り出すのが重要になってきます。
水上オートバイがまっすぐに進んでいくと、その進む両側に波が起こります。その波をオートバイに乗り越えさせて、車体を上向きにして、その勢いで宙返りをしていきます。波をジャンプ台の代わりにして踏み切り、高く上に飛び上がっていくというわけです。ですから、必ず宙返りの技に入る前には水上オートバイを走行させて波を作り、その波に合わせてジャンプを繰り出していきます。
オートバイの進み具合によっては波も不規則に起こるときもありますから、それにどう合わせるかは腕の見せどころ。簡単に飛んでいるように見えて、選手たちは海上で波の感じを見ながら計算して技を繰り出しているんです。
放送ではご紹介できませんでしたが、選手たちは宙返りをした直後、着水するときに頭から海に突っ込む形をよく繰り出します。一見すると着水に失敗したようにも見えますが、これはちゃんとした技の一つ。潜り技と呼びます。
高いジャンプをしてそのまま真上から海に突っ込むと、水泳の高飛び込みのようにあまりしぶきが上がらずにきれいに海に潜っていく。それはそれで見応えのある光景です。
ご紹介した以外にもさまざまな技が繰り出されます。フリースタイル競技の全日本選手権は、日本各地で試合が行われます。
例年年間で6戦程度。今年はその中で、和歌山、大阪の岸和田、貝塚で行われる予定。関西はフリースタイル競技が盛んな土地だそうです。
興味のある方、お近くの方はぜひ一度競技をご覧いただき、その迫力を感じてください。
皆さん、こんにちは。「スポーツ1番!」担当キャスターの小野卓哉です。
今年度から、スポーツ1番のコーナーで取り上げた話題についてのこぼれ話、放送に盛り込めなかった内容などをご紹介する取材後記を始めます。
「スポーツ1番!」は、和歌山県内向けの平日夕方6時10分から7時まで放送しているわかやまNEWSウェーブの毎週月曜日のスポーツコーナーです。和歌山県内のスポーツにまつわるさまざまな情報をお伝えしています。どうぞご覧いただければと思います。
さて、3月29日の新年度1回目の「スポーツ1番!」は、野球の関西独立リーグの話題。3月28日に2年目の開幕戦を迎えたリーグ。
紀州レンジャーズの石井毅新監督をスタジオにお招きして、話を伺いました。
関西独立リーグといえば、去年は経営面でいろいろと厳しい状況に直面しました。運営会社から各球団への分配金3000万円の未払い、それによる運営会社の撤退、優勝チームである大阪ゴールドビリケーンズの撤退、などなど。
それを踏まえて、2年目はどう立て直していくのか、リーグの役員も務める石井監督にいろいろと伺いました。時間の関係ですべての思いを伺うことはできませんでしたが、去年に比べての“変化”を話してくれました。
まず、昨年度は選手がグラウンドでの練習や試合が主だったのを、今年度は週に一度くらいを目標に行政機関、企業、学校などを訪問してリーグをPRする活動を始める。行政とも密接に連携をとり、イベントの共同開催、委託事業を積極的に請け負いたいとのこと。
さらにポスターや印刷物の一枚一枚を、費用のかからないものに変更するなど経費削減も積極的に行い、去年は年間運営費が一億円ほどだったのを、ことしは半分の5千万ほどに圧縮することを目標にしています。
選手の給料は、去年は月給20万円。それをことしは大幅に削減して、去年は認めていなかったアルバイトなどを認めるとのことでした。
石井監督は、去年まではリーグの代表という立場。月給20万円という待遇については、 「その給料だけでもわりと不自由なく生活できる額。独立リーグは、上の世界(セパ12球団のプロ野球)を目指す人の挑戦の場であるはずなのに、独立リーグという場所に安住しようという、甘えを持った選手が多かったのは事実。ハングリーさ、一生懸命野球をしようという気持ちがもうひとつだった。それがことしは待遇が変わって目の色が変わっています」との話。練習量もレンジャーズに関しては倍くらいに増えているということも言っていました。
石井さんによれば、去年の選手の待遇は、国内のほかの独立リーグ(四国・九州アイランドリーグ、BCリーグ)よりもよかったといいます。それを別な経営的な部分からの理由とはいえ削減することは、今残っている選手にとっても、さほど大きなことではないという声が聞かれました。「野球をできる場があるだけで十分。お金は関係ない」選手は口々にこう話しました。
いろいろと騒がれた昨シーズン。野球以外の部分で「大丈夫なの?やっていけるの?」と周囲からは思われがちな関西独立リーグですが、選手達は去年以上に野球への熱い思いをもってグラウンドに立っているようです。
これから長丁場のリーグですが、球場では野球以外にもさまざまなイベントを行って試合を盛り上げていくということです。
ぜひ皆さん、球場に行って紀州レンジャーズを応援しましょう!!