7月は、高校球児が甲子園を目指して熱戦を繰り広げる夏の高校野球の地方大会の季節。今回は、初の夏の甲子園出場を目指す、県立日高高校中津分校野球部をご紹介しました。
13年前のセンバツ高校野球に出場し、分校初の甲子園出場に全国が注目。以来、部員数は倍に増えました。現在全校生徒が100人ほどで、野球部はそのおよそ6割の66人。地元以外からの入学者も増えて、チームはさらに力をつけてきていました。
地元に元気を与えようと野球部を強化してきましたが、まず驚いたのが施設の充実。グラウンドは野球部の専用で、かなりの広さ。両翼93mで、ファウルグラウンドが特に広いのが特徴です。
フェアグラウンドではフリーバッティングを4か所で行いながら、ファウルグラウンドでは広々とバント練習を平行して行っていました。
ここまで広いファウルグラウンドを備えた高校のグラウンドは珍しいのではと、監督も話していました。
私も少ない高校野球の取材経験の中で、初めて見た広いグラウンドでした。しかも、球場を取り囲むように簡易の座席がいくつかあって、休日の練習試合では地元の人たちも多く応援に訪れるそうです。
ピッチングマシンも3台あり、内野向けの照明設備、広いグラウンドに向けて監督がマイクでしゃべると、スピーカーから音が拡声される設備もありました。高校野球をする上では、この上ない環境。和歌山県でも常に上位に顔を出す日高中津野球部の実力は、こうした施設の中で育まれていました。
日高中津野球部を語る上で欠かせないのが、地元の人たちとのかかわりです。13年前の甲子園出場時はバスが何台も地元から出て、試合当日は地元にほとんど人がいない状態に。
後援会がその後も野球部を支え続けていて、今も450人ほどの会員がいます。野球部はそうした地元の人たちとの触れ合いを大切にしようと、毎朝必ず町内を回るランニングを行っています。