野球の関西独立リーグに参加している紀州レンジャーズの選手を紹介する「がんばれレンジャーズ」のシリーズ。
今回は、ことし入団したルーキーの最上奨吾(もがみしょうご)投手に注目しました。
最上投手は宮崎県出身の18歳。
この春、宮崎第一高校を卒業したばかりのルーキーです。その武器は、高校時代から140キロを超えていたというストレート。
現在は、150キロ近くまで球速を上げることを目標に、レンジャーズで成長していきたいと力強く語ってくれました。
まずお会いした第1印象が、いわゆるイケメン!!石井監督が「チーム1です」と話していたとおり、さわやかなルックスでした。
しかしその魅力は力強いストレート。現在の最速は143キロ。投球練習場では大きなミットの音が響いていました。
本人の志望はNPB(セパ12球団のプロ野球)ですので、球速を上げるのはもちろん、変化球のキレ、コントロールもよくしていきたいと話していました。
最上投手にはさらに特徴があります。
きき手の右だけではなく、左でも投球ができるということ。左での投球練習も披露していただきましたが、これまたかなりいいストレート。
右で投げるのと同じくらいの大きなミットの音が響き、受けていたキャッチャーも驚く表情を見せるくらい速いボールでした。
これは、最上投手が中学生時代に故障で右では投げられない期間があって、その際に左で練習をしていたことがきっかけのようです。
普段は右投げですが、練習では左で投げることもあるそうで、「体のバランスを整えるために、左で投げることでバランスをとっている」そうです。
将来の夢は「誰にも打たれない投手」で、目標とする選手は日本ハムで活躍するダルビッシュ投手。最上投手の将来の飛躍を期待したいと思います。
今回は体操の話題。和歌山県で体操といえば、去年の世界選手権の平行棒で銅メダルを獲得した田中和仁選手。和歌山県出身で、和歌山北高校を卒業した選手です。
2年後のロンドンオリンピックでも活躍が期待されています。その田中選手のすばらしい素質をはぐくんだのが、今回ご紹介した和歌山オレンジ体操教室です。
小学生から高校生までを対象に30年以上にわたって続いている体操クラブ。
放送では、独自に生み出した手作りの器具によって練習にくふうを凝らした指導を行っている様子をお伝えしました。
それにしても30年以上も継続していることはすばらしいですよね。
クラブを設立当初から支えているのが、田中章二さんと伊熊博文さんです。
二人とも高校教諭で、学校での部活動での指導のかたわら、クラブの運営を行ってきました。現在、田中さんは60歳。伊熊さんは57歳。いまだに体を動かしながら手取り足取り指導を行っています。取材に行った日も、汗をぬぐいながら夢中で子どもたちに声を掛け続けているのが印象的で、本当に体操が好きなんだなということを感じました。二人とも和歌山県の出身ではなく福岡の出身。偶然、二人とも和歌山県の教員として採用されてから知り合い同士になって、和歌山の体操を盛り上げたいと意気投合してクラブを運営するようになりました。
しかし、これまで二人はほとんど同じ学校でも勤務したことはないそうで、クラブの練習も、二人の勤務する学校にそれぞれ練習場所を設けて、指導する選手を分担する形で行ってきたそうです。
小学生を中心にした小さなお子さん担当は伊熊さん。中学生、高校生を教えるのが田中さんの担当。伊熊さんは小さな子どもと接するのが得意で、とにかく体操を好きになってもらえるように楽しく体操を教えるのが役割。それを引き継ぐのが田中さん。理論派で、高度な技術論も駆使しながら一人の選手へと導く指導に定評があります。
それぞれ役割分担を行いながら30年以上もクラブを運営してきました。二人は口をそろえて「子どもたちを最終的にはオリンピック、世界選手権で戦える選手に育てるのが目標」と言い切ります。
そして、クラブに通う小学生ですら「目標は世界一」と言い切るほどの志の高さを持っています。
また皆さんは練習熱心で、コーチの二人によれば、「こちらが止めないと平気で深夜まで練習をする子もいた」というほど、どの選手も体操にのめりこんでいるそうです。
そうしたひたむきな選手の努力と、指導者の体操への熱意が、輝かしい成果を生んできているんだと思います。
今後も田中和仁選手に続く選手の育成に力を入れて、和歌山を体操で盛り上げ続けてほしいと思います。