「すくすく子育て」で悩めるパパ・ママにアドバイスをしてくれる専門家の先生たちは、どんな子育てをしていたのでしょうか。
専門家の素顔に迫ります。

汐見稔幸(東京大学 名誉教授/教育学)

教育学・育児学が専門で、育児に関する著書が多数ある汐見稔幸さん。子どものやることに、どこまで口を出していいのか悩むパパとママに対して、信頼することの大切さを教えてくれました。

そんな汐見さんはどんな子ども時代を過ごしてきたのか、お話を伺いました。


― いつも穏やかな語り口ですが、子どものころからそうだったのですか?
信じ難いかもしれませんが、何かあると激しくキレてしまって、とても手のかかる子どもだったと思います。自分が思うことと違うことを要求されるとイライラして、それができないと爆発してしまうんです。
そんな私に、母はあきらめずに対応してくれました。キレたときは、何も言わずに私が落ち着くのを見守ってくれて。私自身が興奮して困っていることをわかってくれていたんです。
高校のときは、進学校に入ったのですが不登校になってしまいました。2年生のときは一度も笑わなかったそうです。母は心配でしかたがなかったと思いますが、余計なことは一切言わずにいてくれました。とても感謝しています。

― 手のかかるお子さんで悩んでいるパパ・ママに何かアドバイスはありますか?
子どもが大人になるにつれて、いずれ落ち着くだろうと信頼して見守りましょう。無理に“いい子”にしようとしてもうまくいかないと思います。ゆっくり見守りながら、自分をコントロールできるようになるのを応援する。それぐらいの長い目で育てることが大切だと思います。

※記事の内容や専門家の肩書などは放送当時のものです