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静岡にプロ野球チーム誕生へ その名はハヤテ223新球団は65年ぶり

  • 2023年10月04日

     

    静岡県に初めてプロ野球の球団が誕生することになりました。球団の名称は「ハヤテ223(はやて・ふじさん)」、静岡市を拠点とし、来年から2軍のリーグへの参加が内定しています。プロ野球に新たな球団が誕生するのは65年ぶり、一体どんなチームになるのか、地元では期待が高まっています。

    プロ野球 65年ぶりの新球団誕生

    プロ野球では、2軍の公式戦がイースタン・リーグ7球団とウエスタン・リーグ5球団に分かれて行われていますが、野球のすそ野を広げることを目的に、2軍の試合に参加する新たな球団を公募し、3つの企業などが申請していました。NPB=日本野球機構と12球団による実行委員会は申請をもとに、経営計画やチーム編成の方針などのヒアリング、さらに本拠地となる球場などを視察して審査を進めてきました。
    そして9月29日、都内で行われたオーナー会議で静岡市を本拠地とする球団の創設を目指す「ハヤテ223(はやて・ふじさん)」と独立リーグ、BCリーグの「新潟アルビレックス・ベースボール・クラブ」の2つの球団が来年から2軍の試合に参加することが内定しました。この結果、静岡県に初めてプロ野球の球団が誕生することになりました。

    「ハヤテ223」ってどんな球団?

    参加することになった「ハヤテ223」は、東京で金融業やベンチャー企業への投資事業などを手がける2005年創業の「ハヤテグル-プ」を親会社とする新球団です。地元住民に親しんでもらいたいと、名称に223(=ふじさん)と、静岡を代表する富士山を取り入れたということです。

    「ハヤテ223」がウエスタン・リーグに、「新潟アルビレックス・ベースボール・クラブ」がイースタン・リーグに参加するということです。参加が内定した2球団は今後、準備を進め、11月に行われるオーナー会議で進捗状況を報告し、問題がなければ正式に参加が決定するということです。
    国内のプロ野球では65年にわたって12球団で行われてきましたが今回、2軍ではあるものの来シーズンから14球団に拡大してリーグ戦が行われることになります。

    どこで試合が見られるの?

    清水庵原球場

    新球団「ハヤテ223」の本拠地は、静岡市営の清水庵原(しみずいはら)球場。静岡市郊外の清水区庵原地区にある県内最大級の野球場です。

    完成は2005年、グラウンドは内野は土で外野は天然芝、両翼100m、センター122mあり、観客席は、内野席の4000席と外野の芝生席6000人分で収容人数は1万人となっています。

    JR清水駅から北西に5kmほど離れた場所にあり、試合開催時の輸送手段は、自家用車やシャトルバスの運行が想定されています。このうち、自家用車のアクセスでは、東名高速道路の清水インターチェンジや清水いはらインターチェンジから2kmほどと近く、球場の周辺には数百台分の駐車場もあります。
    新球団の創設により、売店などの新設、ナイター照明の明るさの強化などさまざまな改修が想定されています。

    今後のチーム作りは?

    ハヤテ223は、11月に行われるオーナー会議での正式決定を目指し、今後、2軍参加の準備を進めます。来月26日のドラフト会議には参加できないため、これからプロ野球を戦力外となった選手を集めたりトライアウトを行ったりして具体的なチーム作りをすることになります。

    プロ野球では一般的に毎年2月1日から1か月程度キャンプを行い、シーズンの開幕に備えることになります。「ハヤテ223」がどのように選手をそろえ、どこでキャンプを行うのか。来年3月から始まるリーグ戦を前に十分な戦力を整えることができるのか、その動向が注目がされます。

    地元からは歓迎の声

    初のプロ球団誕生に地元でも期待が高まっています。

    庵原地区連合自治会 山梨滋巳 会長
    やっぱり野球をやっている少年たちが憧れるような存在が身近なところにいてくれるのはよいことだなと思います。この地区だけでなく、清水・静岡のお祭り・イベントにチームのメンバーが参加してくれるとか、例えばみなと祭りの踊りにもチームとして参加してくれるとかで、つながりがもてると思いますし、だんだん親近感をもった地元チームという感覚が出てくるのではないか。地域も頑張って応援しますし、静岡・清水のにぎわいに寄与してくれると期待を大きく持っています。

    同じ清水区内にある商店街でも新球団の誕生を歓迎する声が聞かれました。
     

    私は野球がすごく好きなのでうれしいです。週に1度は難しいかもしれないですけれども、月に2回くらい行ければ行きたいなと思います。

    野球に興味をもつきっかけとしてチームがあるのとないのとでは全然違うと思うので、きっかけの1つとして地元にチームがあるのはいいなと思います。

    清水は人がいないし、コロナ以降それに拍車がかかっているので、(新球団には)おおいに盛り上げてほしいです。庵原球場は暗いから照明を当てたり、ベースボールロードをつくって豪華にすれば人がいっぱい来ると思う。

    プロの試合に子どもたちも期待

    プロに憧れる子どもたちも新球団を待ち望んでいます。地元、静岡市の少年野球チームの子どもたちに話を聞いてみると・・・。

    とても楽しみでいますし、生で見られる回数も増えてくると思うので、とてもうれしいです。

    ホームランを打つ選手とか守備でかっこいいプレーができる選手を見たいです。

    野球をやってこなかった人とかもプロ野球のいいプレーとかを見て野球を好きになってもらえればとてもうれしいです。絶対盛り上がると思います。

    野球の普及に取り組む団体は、県内に初めて球団ができる意義を強調します。

    静岡県野球連盟 森村謙司 専務理事
    非常にありがたいことだなと強く感じています。ぜひ地元の選手を応援する機運が高まってほしい。
    プロ野球選手の立ち居振る舞いを子どもたちに見てもらい、健やかな成長、教育の一環というかたちで、その媒体としてプロ野球2軍球団があれば非常にありがたい。

    実は深い?静岡と野球の意外な歴史

    静岡と言えば「サッカー王国」ですが、実はプロ野球の歴史を飾る名シーンの舞台になっている場所があります。

    草薙球場にある沢村栄治とベーブ・ルースの像は
    対戦する格好で飾られている

    それが静岡市駿河区の草薙球場です。大リーグ・エンゼルスの大谷翔平選手の活躍で注目された“元祖二刀流”で伝説のホームラン王、ベーブルースが1934年に日米野球で往年の名投手、沢村栄治と対戦した球場です。この試合で、当時17歳だった沢村は、並み居る大リーグの強打者から三振の山を築き、そのピッチングは現在でも語り草になっています。

    また、この草薙球場は“ミスタープロ野球”長嶋茂雄さんが1974年11月に最後にプレーした球場ともされています。長嶋さんは、その前の月に後楽園球場で行われた引退セレモニーで、「わが巨人軍は永久に不滅です」とあいさつしたことが有名ですが、その後の日米野球にも出場し、最後の試合の地が静岡市だったのです。

    草薙球場では、プロ野球の公式戦が1948年から断続的に行われていて、この10年では巨人や横浜などが主催する公式戦が20試合近く行われています。新球団の試合は、本拠地の清水庵原球場のほかにも草薙球場でも、開催されることが想定されています。

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