NHK静岡アナウンサー特集! どんな人? 後藤康之アナ
- 2023年05月04日

「たっぷり静岡」のキャスターになって1年あまり。 NHK静岡の顔としておなじみの後藤康之アナウンサーに迫ります。 静岡の好きなところや、アナウンサーを志した原点。 どんな放送を目指しているのか。2003年入局の”同期” 中山庸介アナウンサーがインタビューしました!
静岡ぐらし1年 人のやさしさに思わずほろり
2022年、静岡局に春のキャスター異動で転勤してきた後藤アナ。
まずは、静岡での暮らしをどう楽しんでいるのか。
そして、静岡の魅力についてききました。

後藤アナ
静岡生活は一家四人で来たんだけれども、本当に生活が楽しいですね。
小学生の下の息子はサッカーを習っているんですが、やはり静岡のサッカー熱はすごい!
練習はしっかり週3回、しかも内容もレベルが高いなあと思わされることしきりです。
地元にプロの一流のサッカーが見られる環境があるってぜいたくですよね。

中山アナ
たしかに、サッカーは静岡の文化!
後藤アナ
子どもたちが街のあちこちでサッカーの練習をしているし、学校からもらう下敷きがエスパルスの下敷きだったり、チームのポスターやホームゲームの日程が、商店街の店先に貼られていたり。子どももサッカーを通じてどんどん友達が増えているので、親としてもホッとしています。

そして、静岡の魅力は?と聞いてみると。
後藤アナ
まずは富士山。引っ越しを終えて、部屋の窓から富士山が見えるのに感動して、思わず写真を撮りました。ちょうど一年経って改めて思ったんですが、富士山って春夏秋冬、四季を教えてくれるんだなあと。秋から冬にかけてはくっきりと遠くからでも稜線が眺められ、頂きから中腹にかけての雪化粧の面積も増えていく。そして春から夏になるとだんだんと雲に隠れて見えなくなっていく。季節を感じさせてくれますよ。富士山。


そのほかには?と聞いてみると・・・。
後藤アナ
あとは・・・やっぱり「丁寧で優しい」人が多いような気がします。
もちろん他の土地でも感じるのだけれど、静岡はとくに。
たとえば、スーパーで買い物をしていてもお弁当買っただけで、先回りして「袋に入れましょうか」と一言声をかけてくれたり。あと、他の土地から来た人間にも分け隔てがない。子どものサッカーの送り迎えでも、本当にフラットに話しかけてくれたり、子どもたちにも穏やかに声をかけてくれたり。心がホッとするおつきあいが多いです。
実は声優志望!? 挫折と悶々とする日々

いまではニュースキャスターとして安定感のある仕切りぶりを見せる後藤アナ。
そもそも、どうして「アナウンサーを志したのか」聞いてみました。
中山アナ
後藤くんはもともとアナウンサー志望だった?
後藤アナ
いやいや、全く。実は僕、声優志望で。
ちょうど中学のころ、塾に行く前に「新世紀エヴァンゲリオン」のテレビシリーズが放送されていたり、受験勉強のおともに聞いていた深夜ラジオ「SOMETHING DREAMS マルチメディアカウントダウン」(文化放送)で、パーソナリティーを冨永みーなさんなど声優が務めていたりしたこともあって、声優という仕事、ラジオの世界にものすごく親近感を抱いていたんですね。

リスナーの心にスッと入っていって共感を生むラジオの世界。そして、「あのキラキラした世界に自分も飛び込んでいきたい」という思いをおさえられなくなっていきました。
その後大学は法学部に進んだんですが、同時に声優の学校にも行こうと心を決めて、アルバイトでお金を貯め始めたんです。
ところが、両親は猛反対。「声優というプロの世界で飯が食っていけると本当に思っているのか」と。当時は就職氷河期の最後の時代。親としても心配していたんでしょうね。でも、あきらめたくはない。
そこで親にも理解を得るための折衷案として、とりあえず声優の世界と近いであろうアナウンサーを目指す、ということにして民放のアナウンススクールに通うことにしたんです。

ところがアナウンススクールに行ったら本当に何もできなくて(笑)。腹式呼吸や発声練習、滑舌も本当にできない。フリートークでも、何を喋っていいかわからない。打ちのめされて、毎週帰って、次の週、悶々と考える。
ところが、そんなことが続くうちに、自分の言葉で伝えられるアナウンサーの仕事って面白いんじゃない?と思うようになりました。そして、大好きだったラジオの仕事もできそうだし、と。
「話が違う!」NHKに転勤があることを知らなかった

そして、2003年にNHKに入局。佐賀放送局に着任した後藤アナ。
ほぼ?念願かなってアナウンサーになったものの、またしても現実と直面することになりました。
後藤アナ
アナウンサーになったものの、思っていたものとは違っていましたね。そもそも入局した時点でNHKに転勤があるなんて知りませんでした(苦笑)。
入局していろいろ先輩たちに聞くうちに「話が違う!」と思いましたよ(笑)。
あと、声の仕事がしたい、ラジオ番組に出られるかどうか、ということだけしか考えていなかったので、具体的にどんな仕事をするのかよく分かっていなかったんです。
ああ、自分で取材するんだな。台本も書くんだな。それすらも知らないレベル。それこそ中山くんのような同期たちからは周回遅れでスタートしているので、本当に初任地時代は苦労しました。

座して待っていればネタがあるわけではない。
自分で探しに行かないといけない。
なぜいま放送するのかを考えて考えて。
そして上司に提案を持って行ったら「こんな字数の多い提案票はいらない」と見てももらえなくて(笑)。
決して器用なタイプではないので、本当に鍛えられました。でも、その時代があるから、いまがあると20年経ってようやく思うようになりました。
遅ればせながらのターニングポイント
初任地・佐賀を振り出しに、大津、広島、再び佐賀、東京、静岡と各地でキャリアを重ねていった後藤アナ。自分自身を変えた「ターニングポイント」は、2011年からの広島局時代にあったといいます。
2013年、広島で全国放送の「ホリデーインタビュー」という番組を制作しました。
ゲストは、中学時代から憧れていたデーモン閣下さん。
「あの閣下と同じ空気を吸えたんだ」というのは心が震えました。
そして、デーモンさんが、取材のなかでこんなことをおっしゃっていたんです。
「小学校時代、広島では『あなたが世の中で一番知らないといけないことは、原爆のことですよ』というくらいの勢いで平和教育を受けた。しかし、その後移り住んだ東京では全然違う。
そもそも原爆がいつ落とされたのか、知らない人もいる。このことに、大きな衝撃を受けた」と。

この言葉を聞いて、自分自身も激しく反省しました。
本当に原爆のことを、広島の人の気持ちを理解していたのかと。頭で分かっていた気になってはいないかと。そこからでしたね。もっともっと、被爆者の方々の声に耳を傾けて、いろんな人に話を聞かせてもらわないとと。
取材先のみなさんの思いにどこまで共感できるか、自分の中で腹に落として、コトバを紡がないといけない、いまさらですが気づきました。
等身大の自分でいこう 理想のキャスターとは
その後、東京では「土曜スタジオパーク」などの司会を務めた後藤アナ。
2022年には静岡局に赴任。「たっぷり静岡」のキャスターを担当し、今日に至ります。
一緒に共演しているキャスターたちに、後藤アナってどんな人?と聞いてみました。

村田優歌キャスター
「後藤さんって本当にフランクですよね。キャスターとして身構えずに、いつでも等身大の自分でいられます。」

伊藤麻衣 気象予報士
「(後藤アナは)不真面目に真面目な人。やりとりなど、事前の打ち合わせはするんですが、本番はすっ飛ばしてアドリブということもけっこうあります。」
そんな「相棒」たちからの声に、後藤アナの反応は。
率直に嬉しいですよね。キャスターそれぞれには自分のカラーがあるので、それがぶつからないようにするにはどうしたらよい?と考えたときに、「まず、相手の言いたいことを邪魔しないで尊重しよう」というのは意識しています。

そのうえで、「たっぷり静岡」ではどんなキャスターになりたいのか?と尋ねると。
お茶の間と画面を近づけたいですね。
夕方6時って、どんな人が見ているんだろうか、と考えると、夕飯を食べながらご覧になっている方がいる。子どもたちに宿題やりなさいとか、ピアノの練習しなさいと言いながらご飯を作っている方がいる。そんな日常の時間のなかで、どうしたらふっと画面に目を向けてもらうか。
そこには「自然体」が大事なんではないかと思うんです。究極の自然なキャスター。
これが目標です。

自然な語り言葉で人の心に近づいていく・・・それって、考えてみれば、ラジオの世界にも似ているのかなと思います。中学時代から憧れていたラジオの感覚をテレビでも再現しようとしていたのかもしれません。
もちろん、テレビとラジオ、それぞれ特性は違いますが、人と人とが共感する内容を本当に腹に落ちたコトバで発信していく。紋切り型ではなく、血の通ったイキイキとした番組にしていきたいですね。
夕方6時10分からは「たっぷり静岡」!
ぜひ、ご覧ください!

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