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NHK静岡 命を守る“防災の呼びかけ”ワークショップ

災害時の避難に結びつく「アナウンサーの呼びかけ」検討会
  • 2023年01月30日

南海トラフ巨大地震や富士山噴火、風水害…静岡県に災害が迫ったとき「ことば」で命を救うことはできないか?県内の放送局のアナウンサーが集まり、一緒に考えました。

全国のNHKアナウンサーが紡いだ「命を守る呼びかけ」

「NHKニュース たっぷり静岡」キャスターの後藤康之です。

テレビやラジオ・インターネットで、気象庁や自治体からの最新情報を確認し、行動して下さい。
避難や安全確保が遅れると命に関わります。避難できなくなる前に行動して下さい。

・・・こうした「呼びかけ」を、放送の中で聞いたことはないでしょうか?

ニュース原稿にある用意された文言だけを伝えるのではなく、アナウンサーが自分の言葉として、命を守るすべや思いを具体的に指示したり伝えたりする、こうしたことば。

東日本大震災や西日本豪雨などの災害を教訓に、災害が予想されるときや災害が起きたとき、命を守るためにどう呼びかければよいか、全国のNHKアナウンサーが地域の住民や行政、専門家などに話を聞きながら練り上げてきた「呼びかけ」の文言です。

そのコメントを、NHKでは去年、ウェブサイト上に公開しました。

大雨や大雪による災害が予想される際にアナウンサーが警戒や避難を促す呼びかけ文言について、テキストとAIアナウンスの音声データを掲載しています。

放送だけでなく、自治体の防災行政無線や消防団の広報車で流す文言の参考にする、地域の防災訓練や勉強会などで活用するなど、放送だけでなく、地域の防災・減災の取り組みに活用していただくことを想定し、NHKのノウハウの公開に踏み切りました。

※NHKアナウンサー 命を守る“防災の呼びかけ”サイトはこちらからご覧ください。
 

放送局の垣根を越えた「ワークショップ」開催

静岡県も、南海トラフ巨大地震や富士山の噴火、風水害などへの警戒が必要な地域です。災害が迫ったときに視聴者のみなさんに命を守る行動をとっていただくため、公開された文言をヒントにしつつ、視聴者のみなさんにより「届く」呼びかけを作ることができないか。
1月24日、NHK静岡放送局をはじめ県内の民放テレビ・ラジオ局やケーブルテレビ局、コミュニティFMのアナウンサーを中心におよそ60人が集まり、みんなで考える会をオンラインで開きました。

「〇〇地区のみなさん、近くの津波避難タワーに避難してください」と、具体的な地名や避難先を挙げることで「自分ごと」としてとらえてもらう文言を考えてみたり、「去年(2022年)の台風15号では県内の広い範囲で甚大な被害が出ました」と、過去の被害を思い起こすコメントで危機感を共有しようと試みたり…。
いろいろなアイデアが飛び出しては活発な意見交換が交わされました。そして、防災・減災のために放送にできることは何なのか、各局が連携しながら考え続けることを確認しました。

アナウンサーの呼びかけの原点は、過去に被災された方々の「悲しみ」です。
ひとりでも多くの方の命を救うため、私たちも懸命に「ことば」を探しつづけます。

【参考】
災害列島 命を守る情報サイト
https://www3.nhk.or.jp/news/special/saigai/

  • 後藤康之

    静岡放送局 アナウンサー

    後藤康之

    平成15年(2003年)入局。もともとは声優志望。現在は「NHKニュース たっぷり静岡」キャスターを担当。広島土砂災害(2014年)台風15号(2022年)など災害報道を数多く経験。

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