第3弾 対中国制裁
日本の政財界から懸念相次ぐ

アメリカのトランプ政権が中国からの2000億ドル規模の輸入品に関税を上乗せする措置の発動を決めたことについて、日本の経済界や政界の反応です。

日本貿易会会長「消費者や企業の活動にも影響」

日本貿易会の中村邦晴会長は記者会見で「アメリカと中国は日本にとって貿易や投資の大きな相手国で、これだけの規模の関税になるとそう遠くない将来に消費者、ひいては企業の活動にも影響が出てくる」と懸念を示しました。

そのうえで「世界経済に与える影響も非常に危惧しており、貿易摩擦がエスカレートしていく構図を、話し合いによってなんとか食い止めることができないかと思っている」と述べて、今後の両国の協議を見守りたいという考えを示しました。

財務相「双方でよく話し合いを」

麻生副総理兼財務大臣は記者会見で「貿易不均衡というのは解決されなければならない極めて大きな問題であることははっきりしている。ただ世界の経済で1位、2位の国なので、きちんとした対話を今後やらなくてはならない。貿易量が落ちるということは経済が縮小するということで、他国への影響もかなり大きくなるので、双方でよく話し合いをしてもらわないといけない」と述べ、世界経済に与える悪影響に懸念を示しました。

経済産業相「日本企業の影響把握急ぐ」

世耕経済産業大臣は記者会見で「トランプ大統領がさらに追加関税の発動を決定したことは極めて残念だ。広範な貿易制限措置は世界経済の成長の深刻な足かせになるだけでなく、アメリカと中国以外にも予期しない悪影響をもらたす可能性がある」と懸念を示しました。

そのうえで「日本企業にとっても、中国に部品を輸出し、それを中国からアメリカに輸出するといったケースは小さくない。グローバルなサプライチェーンが複雑に構築されているので、今の段階で、金額とかどういう業種に及ぶというのは一概に言えない。詳細に企業ともコミュニケーションを積み重ねて影響を把握し、対応を検討したい」と述べ、聞き取りなどを通じて日本企業への影響を確認し、対応していく考えを示しました。

経済再生相「早期収束を期待する」

茂木経済再生担当大臣は記者会見で「国際的な貿易や投資を促進することが結果的には世界経済の発展につながると考えている。制裁関税と報復関税の応酬は基本的にはどの国も望んでいない。早くこういう問題が収束することを期待している」と述べました。