「日米の同演習やっていく
ことは確認」小野寺防衛相

アメリカと韓国が8月の米韓合同軍事演習の中止を発表したことについて、小野寺防衛大臣は、北朝鮮問題の解決に向けた判断だと理解を示す一方、地域の抑止力を維持するため、今後、必要な演習の継続を米韓に求めていく考えを示しました。

アメリカと韓国の両政府は、8月に予定していた定例の米韓合同軍事演習、「ウルチ・フリーダム・ガーディアン」の計画の中止に合意したと正式発表しました。

これについて、小野寺防衛大臣は、閣議のあと記者団に対し、先週行われたアメリカのマティス国防長官との電話会談で中止する意向を伝えられていたことを明らかにしたうえで、「北朝鮮問題の解決に向け、米韓の防衛当局が外交努力を下支えする観点から判断したのではないか」と述べ理解を示しました。

一方、小野寺大臣は、「米韓合同軍事演習は地域の平和と安定を確保していく上で重要な柱であり、引き続きアメリカ、韓国と緊密に連携していく。マティス長官との間で、日米の合同演習をしっかりやっていくことは確認している」と述べ、地域の抑止力を維持するため、今後、必要な演習の継続を米韓に求めていく考えを示しました。

また、「北朝鮮が米朝の交渉の中で、いきなり、弾道ミサイルの発射実験や核実験をすることは常識では考えにくいが、北朝鮮は具体的な行動を取っておらず注視していきたい」と述べ、警戒監視の態勢を維持する考えを示しました。

官房長官「善意ある交渉継続が前提」

菅官房長官は、閣議のあとの記者会見で「この発表は、さきの米朝首脳会談におけるトランプ大統領のコミットメントに従って発出されたものだと承知している。ポンペイオ国務長官は『米韓合同演習の中止は生産的で善意のある交渉の継続が前提条件であり、そうでないと判断された場合には合同演習停止との大統領のコミットメントは有効でなくなる』と述べている」と述べました。

そのうえで、「いずれにせよアメリカは同盟国の防衛へのコミットメントを維持するとの立場であり、日米同盟へのコミットメント、および在日アメリカ軍の体制は変わらないという理解だ。地域の平和と安定のために引き続き、米国、韓国と連携しながらしっかり取り組んでいきたい」と述べました。

外相「善意なき交渉なら再開」

河野外務大臣は、閣議のあと記者団に対し、「北朝鮮が善意を持って交渉している間は、訓練を差し控えるということであり、善意を持って交渉していないとなれば、再開されると理解している。特に、日米間の訓練などには影響はない」と述べました。