参院予算委 コロナ対策や
北朝鮮ミサイルで論戦

参議院予算委員会では、集中審議が行われ、緊急事態宣言が解除されたあとの新型コロナウイルス対策や、北朝鮮の弾道ミサイル発射などをめぐって論戦が交わされました。

自民党の高橋はるみ氏は「聖火リレーが始まったが、日本はオリンピック・パラリンピックの開催国として世界に安全・安心な大会運営を示し、感染拡大防止と社会経済活動の両立を期していかなければならない」と述べ、政府の取り組みを問いました。

菅総理大臣は「新規感染者数は、地域によっては増加し、人出が増えている地域もあり、再拡大に強い警戒感を持って対応すべきだ。社会経済活動を本格的に再開するためにも再拡大を防ぎ、安全・安心な大会を実現できるよう、準備を進めていきたい」と述べました。

立憲民主党の福山幹事長は「緊急事態宣言が解除されたが、間違いなく、感染は徐々に広がっているし、変異株のクラスターも発生している。リバウンドの兆候が出始めているが、どう評価しているのか」とただしました。

菅総理大臣は「再拡大を懸念する声も多く、総合的な対策を実施していく。急拡大に対応できるよう、効果的に療養できる体制を構築していく方針だ。大阪や宮城での感染者の増加は政府としても注視していて、自治体と緊密に連携して対策を徹底し、再拡大防止に努めたい」と述べました。

一方、政府の分科会の尾身会長は「宮城県を例にあげると、飲食店の営業時間短縮の解除が大きな原因の1つだ。食を介した感染によって若い人の感染が始まり、高齢者にうつっている。打つべき対策として、宮城県と国に『まん延防止等重点措置』を含めた強力な対策を検討し、実施してもらいたい。強力な検査や、保健師や看護師の派遣も大事だ」と求めました。

また北朝鮮の弾道ミサイル発射をめぐって菅総理大臣は「国連安保理決議に従って、北朝鮮によるすべての大量破壊兵器とあらゆる射程の弾道ミサイルの完全で検証可能かつ不可逆的な廃棄を求めていく方針に変わりはない。アメリカのバイデン政権でも北朝鮮に完全な非核化を求める政策は変わっていないと考えている」と述べました。

そして、日米韓の3か国で緊密に連携し、中国やロシアを含む国際社会と協力して、国連の安保理決議の完全な履行を進め、北朝鮮の非核化を目指す考えを示しました。

さらに、政府が国会に提出した法案の条文などにミスが相次いでいる問題について菅総理大臣は「あってはならないことで、省庁全体で徹底して調査するよう指示した。国会審議には、大変、ご迷惑をおかけしている。行政府の長として、最高の責任があることは間違いなく、大変、申し訳ない思いだ」と陳謝しました。