愛知県知事リコール不正署名
活動団体が不正関与を否定

愛知県の大村知事のリコール=解職請求に向けて提出された署名の83%が有効と認められない署名だったと県の選挙管理委員会が発表した問題で、署名活動を行った団体が記者会見し、名古屋市の会社が人材紹介会社を通じて集めた多数のアルバイトが、県民の名前や住所が書かれた名簿を署名簿に書き写したとする新聞の報道について「署名用紙がつくられたことは事実なんだろう」と述べた一方で、団体の事務局の関与を否定し確認を進めていることを明らかにしました。

愛知県選挙管理委員会は、2月1日、大村知事のリコール=解職請求に向けて提出された署名簿を調査したところ、全体のおよそ83%が同一人物により書かれたと疑われるなどの理由で有効と認められない署名だったと発表しました。

この問題について中日新聞は16日の朝刊で、活動に協力した名古屋市の広告関連会社の下請け会社が人材紹介会社を通じて集めた多数のアルバイトが、佐賀市内で愛知県民の名前や住所が書かれた名簿を署名簿に書き写していたと報じました。

これを受けて署名活動を行った団体が16日夕方、愛知県庁で記者会見し「事務局が関わった事実は一切ない」と述べました。

そのうえで「九州でつくられた署名があったが使い物にならないものばかりだったと聞いている。署名用紙がつくられたことは事実なんだろうと思う。団体の会長を務める高須氏からはしっかり調査するよう言われており、できる範囲で分かる範囲で事実関係を確認をしている」と述べました。

この問題をめぐっては、県の選挙管理委員会が被疑者不詳のまま地方自治法違反の疑いで警察に告発しているほか、署名活動を行った団体の会長を務める美容整形外科「高須クリニック」の高須克弥院長も、何者かが無効な署名を署名簿に紛れ込ませたとして、名古屋地方検察庁に告発状を送ったということです。

大村知事「組織的関与の真実解明を」

愛知県の大村知事は、記者会見で「組織的な不正行為の一端が明らかにされてきているので、今後は捜査当局で速やかに全容を解明していただきたい」と述べました。

また、署名活動を主導した人物として、美容整形外科「高須クリニック」の高須克弥院長や名古屋市の河村市長などの名前をあげて「組織的な関与について真実を解明し、開示し、説明していく責務がある」と指摘しました。

河村 名古屋市長「真相解明が市長の責任」

署名活動を支援していた名古屋市の河村市長は「本当にびっくりした。想像の相当外にある」と述べ、自身やみずからの事務所は関与していないと強調しました。

そのうえで、「真相をきちっと解明して市民のリコール権を守るのが市長としての道義的責任だ」と述べ、引き続き、事実関係を確認したいという考えを示しました。