ベント開催制限 来月末
まで維持 西村経済再生相

イベントの開催制限の緩和について西村経済再生担当大臣は、政府の分科会で専門家から、当面見送るべきだという意見が出されたことから、来月末まで参加人数の上限を5000人とする今の制限を維持する考えを明らかにしました。

イベントの開催制限をめぐって政府は、来月1日から、参加人数を5000人までとする制限を撤廃し、それぞれの施設の収容人数の半分程度にまで緩和する予定でしたが、現在の国内の感染状況を受けて、22日、新型コロナウイルス対策の分科会を開き、専門家に見解を求めました。

分科会のあと、西村経済再生担当大臣は、記者団に対し、専門家からは当面、緩和を見送るべきだという意見が出されたことを明らかにしたうえで「これを踏まえ、8月末まで今の制限を維持することとしつつ、今後の感染状況に応じて、適時、専門家に意見を聴きながら判断していきたい」と述べ、来月末まで今の制限を維持する考えを示しました。

また西村大臣は、収容人数の半分程度とする制限について、スーパーコンピューター「富岳」によるシミュレーションの結果なども踏まえ、どのように緩和するか引き続き検討していく方針を示しました。

一方、広域的な人の移動を伴わない地域の行事については、22日の分科会で、適切な感染防止策を講じれば開催できることを確認したとして、改めて都道府県に通知する考えを示しました。

「大規模な祭りも控えて」

西村経済再生担当大臣は記者会見で、大規模な祭りなど全国的・広域的なイベントについて「本来なら、来月1日から、2メートル以上の十分な間隔をとることを前提に、感染状況を踏まえて可能かどうか判断するとしていたが、引き続き、大規模な花火大会などの祭りやイベントは控えてもらいたい。改めて都道府県に通知を出したい」と述べました。

首相 来月末まで制限維持の方針を表明

政府の分科会のあと開かれた政府の対策本部で、安倍総理大臣は、現在の国内の感染状況について「十分に警戒すべき状況ではあるが、検査体制の拡充や、医療提供体制の整備が進んでいること、感染は主に若い世代の中で広がっていて重症者が少ないことなどを踏まえると、4月の緊急事態宣言時とは大きく状況が異なっている」と述べました。

一方で、東京を中心に新たな感染者が増えていることを踏まえ、来月末まで、参加人数の上限を5000人とする今の制限を維持する考えを示しました。

また、安倍総理大臣は「最も重要なことは、効果的な感染防止策を講じながら、社会経済活動を段階的に回復させていく、両立をしっかり図っていくことだ。都道府県と連携して検査体制のさらなる強化を図るとともに、事業者に対し業種別ガイドラインの順守をより徹底していく」と述べました。

そして「重症化する可能性が高い高齢者や基礎疾患のある方々への感染拡大を、何としても防がなければならない」と述べ、医療機関や高齢者施設などで、速やかに検査が実施できるよう検討を進める考えを示しました。

そのうえで安倍総理大臣は「あすから4連休が始まるが、国民の皆さんには、3つの密の回避や、大声を出す行動を控えること、それに、マスクの着用や手洗いなどを徹底していただくようお願い申し上げる」と呼びかけました。

鳥取 平井知事「緩和は慎重にすべき」

全国知事会を代表して出席した鳥取県の平井知事は、分科会終了後、記者団に対し、「イベントの開催制限の緩和は慎重にすべきだ。大きなスタジアムなどがある自治体ではイベントの後に宴会が行われ、そこでクラスターが発生するのではないかという心配もある」と述べました。

また、平井知事は「『Go Toキャンペーン』をはじめとした事業は、感染拡大防止対策と十分に調和をとり、地方側ともよく協議して、実施時期も含めて考慮して進めてほしい」と述べました。