料3分の2給付 事業者に
自公が支援策

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、自民・公明両党は売り上げが一定程度減少した事業者を対象に賃料の3分の2を給付するなどとした支援策をまとめました。

自民・公明両党は8日午後、政務調査会長らが会談し、店舗などの賃料の支払いが困難になっている事業者への支援策を正式にまとめました。

それによりますと、売り上げが去年よりひと月で50%以上減少した事業者や3か月で30%以上減少した事業者などを対象に、中小・小規模事業者は月50万円を上限に、個人事業主は25万円を上限に、賃料の3分の2を原則半年間、給付するとしています。

給付は来月にも開始することを想定していて、およそ2兆円の予算が必要になるということです。また「地方創生臨時交付金」を増額して、国が賃料を補助する自治体に財政措置を講じるとした公明党の案も合わせて盛り込んでいます。

このあと、両党は安倍総理大臣に提言しました。これに対し、安倍総理大臣は「飲食店をはじめ、家賃が苦しい状況にある。雇用や暮らしを守るため、あらゆる手段を尽くしたい。スピード感が大切で、与党の案をもとに対策を講じていきたい」と述べました。

政府・与党は実現に向けて第2次補正予算案の編成を検討する方針です。

自民 石原氏「本当に困っている人たちに」

賃料の支援を検討してきた自民党の作業チームの座長を務める石原元幹事長は記者団に対し、「本当に困っている人たちにどう手を差し伸べるかという観点で支援策をまとめた。政府には家賃の補助が国民に1日も早く届くようお願いしたい」と述べました。また、「党内では第2次補正予算案を求める声が大変強く、その中で必要な予算を獲得したい。万が一の時は予備費も活用してもらいたい。第2次補正予算案の編成に向けて、来週から党の各部会を開いて経済対策を積み上げていく予定だ」と述べました。

公明 北側氏「事業を継続できるよう」

賃料の支援を検討してきた公明党の作業チームの座長を務める北側副代表は記者団に対し、「多くのテナントの皆さんが事業を継続できるよう、政府には進めてもらいたい。まずは予備費でできることをしっかりやってもらい、足らなければ、当然、第2次補正予算案の編成も視野に入れて実施していかなければいけない。次の経済対策をさらに議論していきたい」と述べました。

維新 浅田氏「わが党の主張に近づいてきている」

日本維新の会の浅田政務調査会長は記者会見で、「与党側が検討している賃料の支払いが困難な事業者への支援策は、わが党の主張に近づいてきており、納得できる内容で賛成できると思う。現金がなく事業の継続が困難な会社や個人が多いので、実現を急ぎたい」と述べました。

共産 田村氏「不十分で改善必要」

共産党の田村政策委員長は記者会見で、「政府と与野党の連絡協議会で、自民党が、政府にお預けするかのような発言をしていたので、『政府に丸投げではなく与野党で制度設計を協議することが必要だ』と強く迫った。今の与党の案は、ことし開業した事業者が対象外となるなど改善が必要で、不十分だ」と述べました。

社民 福島氏「野党が賃料支払い猶予の法案を提出したのに…」

社民党の福島党首は記者会見で、「野党は賃料の支払いを猶予する法案を提出して、『早くやろう』と与党側に言ってきたが、きょうの政府と与野党の連絡協議会でもまだ明確な返事はない。遅すぎだ。今まさに事業者が倒れていく時で、早く決断し、支援しなければならない」と述べました。