国議長「徴用」めぐる
提案 河村氏は一定の理解も

「徴用」をめぐる問題で、韓国国会のムン・ヒサン議長は5日、解決策として韓国側で新たな基金をつくって裁判の原告側に「慰謝料」を支払い、財源は日韓両国の企業と個人から自主的な寄付を募るとともに、元慰安婦を支援する財団に日本政府が拠出した支援金も活用する考えを示しました。

これについて、日韓議員連盟の幹事長を務める自民党の河村元官房長官は6日、記者団に対し「財源となる寄付は日本の企業もということだが、それは自由意思でということなので、基本的には韓国側が対応するのだと思う。その方向は間違っていない。受け入れられるかどうかは、もっと精査する必要がある」と述べました。

自民 参議院幹部「話にならない」

自民党の参議院の幹部は記者団に対し「ムン議長の提案は案にすらなっておらず、話にならない。日本企業が参加するとは思わない。財源に日本政府が拠出した支援金を流用することもありえない」と否定しました。

そのうえで「問題を前進させるためには韓国政府が立て替えるしかない。日本企業の資産の差し押さえの可能性がなくなれば、ムードは変わる」と指摘しました。

菅官房長官「韓国側に賢明な対応求めたい」

菅官房長官は午前の記者会見で、「韓国の国会で模索されているものだと承知しているが、他国の立法府の議論にコメントするのは差し控えたい」と述べました。

一方で、「政府としては、引き続き一貫した立場に基づいて、韓国側に賢明な対応をしっかり求めていきたい」と述べ、韓国側には、引き続き国際法違反の状態を是正するよう求めていく考えを示しました。

また、今月23日に失効する日韓の軍事情報包括保護協定=GSOMIAをめぐる、アメリカ国務省の高官と韓国政府幹部との会談について、「アメリカと韓国とのやり取りは承知しているが、第三国間のやり取りなので、今後の見通しを含む詳細についてコメントは控えたい」と述べるにとどめ、協定の取り扱いについても賢明な対応を期待する考えを示しました。