倍首相とムン大統領
「徴用」やりとりの内容は

安倍総理大臣が訪問先のタイで韓国のムン・ジェイン(文在寅)大統領と交わしたおよそ10分間のやり取りの詳細が明らかになりました。安倍総理大臣は、「徴用」をめぐる問題で日本側が立場を変えることはないとしたうえで、日韓関係の重要性も指摘し、両首脳は、当局間の対話は継続していくことで一致したということです。

安倍総理大臣と韓国のムン・ジェイン大統領はおよそ10分間、通訳のみを交えて、ことばを交わしました。

安倍総理大臣が、まず、ムン大統領の母親が死去したことへの弔意、そして、即位礼正殿の儀(そくいれい せいでんのぎ)へのイ・ナギョン(李洛淵)首相の派遣に謝意を示したのに対し、ムン大統領から、感謝の意が示されました。

このあと、安倍総理大臣は、日韓関係に言及しました。

安倍総理大臣は、「両国間の非常に困難な課題について、われわれの立場はイ首相にお伝えしたとおりだ。韓国との関係は重要で、北朝鮮への対応は日韓、日米韓の連携が極めて重要だ」と強調し、「引き続き、当局間の対話を続けよう」と呼びかけました。

これに対し、ムン大統領は、「自分も同じ認識で、両国間の協力進展が極めて重要だ。世界経済や北朝鮮の問題でも一層の協力が必要と考える」としたうえで、「二国間の困難な課題も対話によって解決していきたい。これまでの対話の上に立って、さらに対話のレベルを高めていきたい」と応じたということです。

最後に、安倍総理大臣は、「1965年の日韓請求権協定に関する原則をわれわれが変えることはない」とくぎを刺したうえで、「対話は継続させよう」と述べたということです。

政府関係者によりますと、安倍総理大臣は、控え室に入り各国の首脳と握手をする中で、ムン大統領とも握手をして、自然な流れで少し離れたソファーに座り、ことばをかわしたということです。

韓国大統領府『「日韓関係は重要」で一致』

韓国大統領府によりますと、この中で、両首脳は、日韓関係は重要だという点で一致し、両国間の懸案は、対話を通じて解決すべきだという原則を確認したほか、両国の外交ルートで進められている協議を通じて、関係改善につながることに希望を示したということです。

また、大統領府は、ムン大統領が、必要であればより高いレベルでの協議を行うことも検討したいと提案し、安倍総理大臣もあらゆる可能な方法を通じて解決方法を模索する努力をしていこうと応じたとしています。

日韓関係が悪化するなか、今回、タイで開かれている一連の国際会議に両首脳が出席することから、どういった形で接触するのか、注目されていました。