里城必ず復元を」
「やれることはすべて」

大規模な火災で主要な建物が全焼した那覇市の首里城をめぐり、菅官房長官は沖縄県の玉城知事と総理大臣官邸で会談し、速やかに態勢を整えて県とともに復元に取り組むよう求められたのに対し、財政措置も含めて可能なかぎりの支援を行う考えを伝えました。

会談で沖縄県の玉城知事は「首里城は琉球沖縄が歩んできた歴史と文化の象徴であり、県民のアイデンティティーのよりどころとして、いうなれば『ウチナーンチュの魂』とも言える場所でもある。今回の火災で県民も大変ショックを受けている」と述べました。

そのうえで「首里城は必ず復元しなければならない。できるだけ速やかに態勢を整え、沖縄県民とともに復元に向けて取り組んでもらいたい。県もできるかぎりの努力をしていく」と述べました。

これに対し、菅官房長官は「首里城は沖縄県民にとって特別重要なシンボルということは認識している。県民に改めて心からお見舞いを申し上げる。事案が発生してから関係省庁の職員を派遣しており、情勢の把握に努め、適宜、報告を受けている」と述べました。

そのうえで「政府として財政措置も含めて、やれることはすべてやるという思いだ。知事をはじめ沖縄県の皆さんとしっかりと緊密に連携しながら、一日も早い再建に向けて全力で取り組む」と述べました。

首相「1日も早い再建に全力」

安倍総理大臣は総理大臣官邸で行われた自民党議員らとの会談で、「首里城は沖縄の皆さんが大切にしてきた誇りだ。極めて重要な建造物であり、政府として責任を持って全力で再建に取り組んでいくことを約束したい。1日も早く再建できるよう全力を挙げていく」と述べました。

赤羽国交相「政府一丸で全力で」

首里城の中心的な建物が全焼したことを受けて、赤羽国土交通大臣は閣議のあとの記者会見で、首里城の再建に向け、沖縄県と連携しながら政府一丸となって取り組む考えを示しました。

この中で赤羽国土交通大臣は「首里城は世界遺産であり、沖縄県の皆様にとって大切な精神的なシンボルで、大変残念に思う」と述べました。

そのうえで赤羽大臣は「国土交通省では現地に担当官を派遣し、被害状況などを確認しているところだ。再建に向けて関係省庁や沖縄県とも連携し、政府一丸となって全力で取り組む」と述べました。

また今回の火災を受けて、全国の都市公園を管理する自治体や地方整備局に対して、公園内にある文化財や建造物の防火対策を徹底するよう求める通知を出したことを明らかにしました。

衛藤沖縄・北方相「国民全体で心寄せ再建を」

衛藤沖縄・北方担当大臣は閣議のあとの記者会見で「首里城は沖縄県民の皆様にとってかけがえのない極め重要な建造物であり、心を痛めている。内閣府としては関係機関などと連携のうえ、引き続き火災の全容把握に努めるとともに、国民全体が首里城の再建に向けて心を寄せあっていくような体制で再建していきたい」と述べました。

そのうえで自身の沖縄訪問については「現在、日程を調整している。できるだけ早く訪問したい」と述べました。

高市総務相「検証と再発防止進める」

高市総務大臣は閣議のあとの記者会見で「首里城は沖縄にとってシンボルでもあり、沖縄県民の皆さんに心からお見舞い申し上げる。那覇市消防局からは消防用設備や防火管理に関して消防法令違反はなかったと聞いている。現在、消防庁からも職員を派遣して火災の原因調査を進めており、その結果を踏まえながら、火災の検証や再発防止に取り組んでいく」と述べました。

公明 斉藤氏「補正予算で再建を」

公明党の斉藤幹事長は記者会見で「首里城は沖縄の人たちの心のシンボルであり、よりどころであったと思う。シンボルが焼失したのは大変残念で、沖縄県民の心中を推し量ると本当につらいものがある。補正予算案の中に首里城の再建を盛り込んで、国としての意思を明確にすべきだ」と述べました。