盟国は公平貢献を」
国防費の増額求める

アメリカで新たに就任したエスパー国防長官が抱負を述べ、同盟関係を強化するとした一方、「同盟国は公平な貢献をすべきだ」として国防費の増額などを求めていく考えを示しました。

アメリカのエスパー国防長官は、トランプ政権で2人目の国防長官に就任しました。

国防総省では25日、トランプ大統領やペンス副大統領も出席して就任を祝う式典が開かれ、エスパー長官が演説しました。

このなかでエスパー長官は「大国間の競争が再発し、中国やロシアが、アメリカに取って代わろうとしている。イランは中東に争いの種をまき隣国を脅かしている」と述べ、アメリカ軍を増強して紛争を抑止する考えを示しました。

また、エスパー長官は同盟関係を強化するとした一方、「同盟国や友好国は安全保障への貢献をより公平にしなければならない」と述べ、同盟国に国防費の増額など一層の貢献を求めると強調しました。

複数の日米関係筋によりますと、エスパー長官は来月上旬に日本を訪れる方向で調整を進めていて、ホルムズ海峡の安全確保に向けてアメリカが検討している有志連合の構想などについて意見を交わすとみられます。

トランプ政権は、引き続き日本などに安全保障上の貢献を増やすよう求めるものとみられ、来日でどのような態度を示すのか注目されます。

菅官房長官「発言は一般論と認識」

菅官房長官は午前の記者会見で、新たに就任したアメリカのエスパー国防長官が同盟国に国防費の増額など一層の貢献を求める考えを明らかにしたことについて、アメリカと同盟国の役割分担に関する一般論を述べたものだという認識を示しました。

アメリカのエスパー新国防長官は就任を祝う式典で行った演説で、同盟関係を強化するとした一方、「同盟国は公平な貢献をすべきだ」として国防費の増額などを求めていく考えを示しました。

これについて菅官房長官は午前の記者会見で、「米国と同盟国との役割分担について一般論を述べたものだと認識しており、発言の一つ一つについてコメントは控える」と述べました。

そのうえで、「2017年2月の日米共同声明では、両首脳が日米同盟はアジア太平洋地域における平和と繁栄、および自由の礎であると確認している。また5月のトランプ大統領の訪日の際にも、日米同盟は史上かつてなく強固であり、世界で最も緊密な同盟であると一致している」と述べました。