院 首相問責決議案否決
野党は内閣不信任案を調整へ

国会の会期末を26日に控え、安倍総理大臣に対する問責決議案は、午後の参議院本会議で、与党などの反対多数で否決されました。一方、野党側は、幹事長や書記局長が会談し、内閣不信任決議案の提出に向けて調整に入りました。

国会では、野党側が先週、提出した安倍総理大臣に対する問責決議案は、午後の参議院本会議で審議が行われました。

趣旨説明で、立憲民主党の福山幹事長は「安倍総理大臣は、なぜ予算委員会に出てこないのか。あなたに『憲法を議論しろ』などと言われる筋合いはない。そんなに予算委員会に出席したくないなら、総理大臣をお辞めになればいい」と述べました。

これに対し、自民党の三原じゅん子氏は討論で、「民主党政権の負の遺産の尻拭いをしてきた安倍総理大臣に感謝こそすれ問責決議案を提出するなど全くの常識外れで、愚か者の所業とのそしりは免れない」と反論しました。

そして、採決が行われた結果、問責決議案は、自民・公明両党と日本維新の会などの反対多数で否決されました。

一方、野党5党派の幹事長や書記局長が24日午前、会談しました。

この中で、立憲民主党は、安倍内閣に対する不信任決議案の提出を提案し、25日に党首会談を開いて、最終的に対応を決める方針を確認しました。

与党側は、内閣不信任決議案が提出されれば、25日の衆議院本会議で否決する方針で、26日の会期末に向けて、与野党の攻防はヤマ場を迎えます。

首相「一致団結しきぜんと行動を」

安倍総理大臣は、自民党の役員会で、「参議院では問責決議案に対し一糸乱れず行動し、すばらしい反対討論だった。衆議院でも内閣不信任決議案を提出する動きがあるが、安倍内閣は、これまで経済、外交、安全保障で具体的な成果を出してきた。一致団結して、きぜんとした行動をとりたい」と述べました。

自民 萩生田氏「粛々と否決を」

自民党の萩生田幹事長代行は、記者会見で、「経済や外交を含め、安倍内閣の取り組みは国民に高く評価されていると思うので、内閣不信任決議案は、それに値しない批判だ。提出されれば、粛々と否決するのみだ」と述べました。

また、「出す側も、慣例行事ではなく、真剣に提出してもらわなければならない。提出されれば、衆議院解散の大義になることは否定できない」と述べ、野党側をけん制しました。

公明 山口氏「きっぱり否決したい」

公明党の山口代表は、党の参議院議員総会で、「安倍総理大臣の問責決議案は、全く理由がなく、きっぱりと否決したい。衆議院でも、いろんな動きが出てくるかもしれないが、同様に与党のきぜんたる意思を示したい」と述べました。

共産 小池氏「最後まで結束して戦っていくことが大事」

共産党の小池書記局長は、記者会見で、「野党が最後まで結束して国会に臨んで、戦っていくことが何よりも大事だ。内閣不信任決議案を出すことは、衆議院の解散・総選挙の可能性もありうる。『安倍政権を倒して、新たな政権を作る』という決意を、野党としても固めて臨んでいく」と述べました。