童養護施設「支援が行き
届かず格差がある状態に」

実の親と暮らせない子どもを救済する特別養子縁組の制度をめぐって、養母に育てられた経験のある女優のサヘル・ローズさんが、児童養護施設で暮らす子どもへの支援を手厚くするよう国会で訴えました。

児童虐待などで実の親と暮らせない子どもを救済する特別養子縁組の対象年齢を原則15歳未満に引き上げる民法などの改正案を審議している衆議院法務委員会では22日、5人の参考人に対する質疑が行われました。

このうち女優のサヘル・ローズさんは、イラン・イラク戦争で両親を亡くし施設で暮らしたあと、養母に育てられた経験を語りました。

そして「日本の児童養護施設を回っているが、中には支援が行き届いておらず格差がある状態になっている所もある」と話し、子どもへの支援を手厚くするよう訴えました。

東京都児童相談センターの課長の影山孝さんは、特別養子縁組の対象となる子どもの年齢の引き上げに関連し、「子どもが物事を認識できる年齢になると実の親の記憶が残っていて、心の整理をするのが難しいという課題もある」などと指摘しました。