書官の示唆が原因に
なったのではない」元幹部

厚生労働省の「毎月勤労統計調査」の調査方法の変更について、厚生労働省の元幹部は、22日の衆議院予算委員会で、総理大臣秘書官からの指示はなかったと説明しました。

「毎月勤労統計調査」の調査方法をめぐって、4年前に、厚生労働省の有識者検討会が、調査方法に関する報告書案の結論を、「調査対象をすべて入れ替えていたそれまでの方法を変えるべきではない」という内容から、「一部入れ替えることも検討する」と変更したことについて、野党側は、当時の中江総理大臣秘書官の指示があったからではないかと追及しています。

22日の衆議院予算委員会には、中江氏と面会していたとされる厚生労働省の姉崎・元統計情報部長が参考人として初めて出席しました。

この中で姉崎氏は、「平成27年9月14日に6月のボーナスの状況などの説明に行った際に、ちょうど毎月勤労統計調査の最後の検討会が近かったので簡単に触れたが、このときは報告書を修正している最中の時期だった。中江秘書官からは『コストよりも、ちゃんと実態を把握する観点から、部分入れ替え方式もあるのではないか』というようなコメントがあったと記憶している」と述べました。

また、報告書案の結論の変更について「検討会の委員から『正確なデータを取るには部分入れ替え方式が有用だ』と言われ、検討会の座長からも『報告書を修正してほしい』と言われたので、『総入れ替え方式』も『部分入れ替え方式』も両方とも検討するという整理にしようと私が決めた。総理大臣秘書官の示唆が大きな原因になったというのは違う」と述べました。

そのうえで姉崎氏は、毎月勤労統計調査の調査方法の見直しについて、「3年ごとに過去にさかのぼって数値が変わり、きのうまで『プラスだ』と言っていたのに、いきなりきょうになったらマイナスになってしまうというのは、私も『何だ、この統計は』と思っていたので、統計情報部長になって、ちょうど見直すにはいい機会だということで始めた」と述べました。

一方、中江・前総理大臣秘書官は、「姉崎氏らと会っていたとしたら、当初からの問題意識から、経済の実態をよりタイムリーに表す方策として、部分入れ替えという方法があるのであれば、専門的に進めてもらってはどうかというようなことを言ったかもしれないが、4年弱前の話なので覚えていない」と述べました。