振れの補正しないなら
アベノミクス偽装だ」野党側

厚生労働省の「毎月勤労統計調査」で、去年1月から労働者数の変化などを反映させる処理が行われたことについて、野党側は賃金の上振れにつながっていると指摘し、「過去にさかのぼって補正しないのであれば、アベノミクス偽装だ」などと批判しました。

厚生労働省の「毎月勤労統計調査」をめぐっては、去年1月から、企業の経済活動などに基づいて、労働者数の変化などを反映させる「ベンチマーク更新」と呼ばれる処理を、6年ぶりに実施しましたが、過去にさかのぼっての補正はしませんでした。

これについて19日開かれた野党のヒアリングで、立憲民主党や国民民主党は「ベンチマーク更新」によって、賃金がより大きく上振れする結果につながっていると指摘したうえで、「上振れの補正を行わないのであれば、アベノミクス偽装にほかならない」などと批判し、政府側の対応をただしました。

これに対し、厚生労働省などは「去年の総務省の統計委員会での議論で、補正を行わないことについては一定の整理がされている」などと説明し、理解を求めました。

これに関連し、総務省の統計委員会の西村清彦委員長は衆議院総務委員会で、「調査票を送付し回収して集計することで作成された統計は、原則として過去にさかのぼって改定しないことを決めていて、『毎月勤労統計調査』については去年8月28日に遡及(そきゅう)改定しないという統計委員会の見解を明らかにしている」と述べました。