衛大綱は中国の脅威を
あおっている」中国が抗議

海洋進出を強める中国を念頭に大型護衛艦を改修し事実上、空母化する方針などを盛り込んだ新たな「防衛計画の大綱」などが閣議決定されたことについて、中国外務省は「中国の脅威をあおっており、強い不満と反対を表明する」として日本政府に抗議したことを明らかにしました。

政府は「防衛計画の大綱」と、今後5年間の「中期防衛力整備計画」を18日、閣議決定しました。

この中で中国が海上・航空戦力を中心に軍事力を急速に強化しているなどと指摘し、今後5年で大型護衛艦「いずも」を改修し事実上、空母化するほか、離着陸可能な最新鋭のステルス戦闘機F35Bを搭載する方針が盛り込まれました。

これについて中国外務省の華春瑩報道官は、18日の記者会見で「正常な国防建設や軍事活動に対して事実に基づかない非難を行い中国の脅威をあおっている」と反発しました。

そのうえで「日本のやり方は両国関係の改善や発展のためにはならない。中国は強い不満と反対を表明し日本側に厳正な申し入れを行った」と述べ抗議したことを明らかにしました。

また、護衛艦を事実上、空母化することについて華報道官は「歴史的な要因から日本の軍事の動向にはアジアの隣国や国際社会から高い関心が寄せられている。専守防衛の政策を守り軍事政策は慎重にかじ取りを行うよう促す」と述べ、注視していく考えを示しました。

韓国「平和憲法を守るべき」

新たな「防衛計画の大綱」などが閣議決定されたことについて、韓国外務省のノ・ギュドク報道官は会見で「日本の防衛・安全保障政策は平和憲法の理念に従い、地域の平和と安定に寄与し、透明性も保たなければならない」と述べて、平和憲法を守るべきとの考えを示しました。

ただ、大綱などに盛り込まれた大型護衛艦を改修して事実上、空母化する方針については言及しませんでした。

一方、韓国のメディアは空母化の方針などに対して警戒感を示していて、通信社の連合ニュースは「日本が露骨な軍事大国化の意図を示したのではないか」と伝えているほか、保守系の主要紙、中央日報は「『日本は攻撃しない』という原則を、安倍総理大臣が破った」という見出しで伝えています。