加藤厚労相 “社会保険料 子どもに持っていく余地はない”

少子化対策の財源をめぐり、自民党の茂木幹事長が、既存の保険料収入の活用などでできるかぎり確保したいという考えを示していることについて、加藤厚生労働大臣は「年金や医療に使う金を子どもに持っていく余地はない」と述べ、否定的な考えを示しました。

自民党の茂木幹事長は先に、少子化対策の財源について「現状では、増税や国債の発行で捻出することは想定していない。まずは歳出削減の徹底や、既存の保険料収入の活用で、できるかぎり確保したい」と述べ、国民の負担が増えない新たな方策を検討する意向を示しました。

これについて加藤厚生労働大臣は、フジテレビの番組「日曜報道 THE PRIME」で「今いただいている社会保険料は、医療は医療に使う、年金は年金に使うという、それぞれ目的と負担の関係でつくっている。年金や医療に使う金を子どもに持っていくのは、正直言って余地はない」と述べました。

そのうえで財源のあり方について「社会保険料方式という形なのか税で負担していくのか、やるべき施策などを含めてよく議論させていただきたい」と述べました。

自民 茂木幹事長の発言は

少子化対策の強化に必要な財源について、自民党の茂木幹事長は、増税や国債の発行は想定していないとした上で、できるかぎり国民の負担が増えない新たな方策を検討する意向を明らかにしました。

キューバを訪問していた茂木幹事長は、現地で記者団の取材に応じ、少子化対策を強化するための財源について「現状では、増税や国債の発行で捻出することは想定していない。まずは歳出削減の徹底や、既存の保険料収入の活用で、できるかぎり確保したい」と述べました。

その上で「今後の税収がどうなっていくかを踏まえる必要があるが、できるかぎり国民の負担が増えない新たな方策を考えてみたい。ある程度の構想を持っているので、政府ともすり合わせていきたい」と述べました。

一方、児童手当の所得制限の撤廃をめぐり、一定以上の所得がある世帯への給付額を減額するかどうかについて、茂木氏は「詳細はこれから詰めていくが、個人的には、制度はシンプルな方がいいと思う」と述べ、一律の給付が望ましいという認識を示しました。