先端半導体 「Rapidus」新工場に2600億円補助 計3300億円

西村経済産業大臣は、先端半導体の国産化を目指して日本の主要企業が共同出資した「Rapidus(ラピダス)」が北海道に建設する新工場などに対して、新たに2600億円を補助することを正式に発表しました。

トヨタ自動車やNTT、ソニーグループなどが出資し、去年設立された「Rapidus」は、自動運転の車やAI=人工知能などに欠かせない先端半導体の国産化に向けて、北海道千歳市に新工場を建設することを決めています。

新工場の建設について西村経済産業大臣は、4月25日の閣議のあとの会見で「国内外の関係機関と連携し、次世代半導体プロジェクトを推進したい」と述べ、新たに2600億円を補助することを正式に発表しました。

新工場では、2025年に試作ラインを作り、2027年ごろの量産化を目指していて、今回の補助は試作ラインの製造装置の整備などに充てられます。

会社では、すでに経済産業省から700億円の補助を受けていて、合わせて3300億円の支援を受けることになります。

また西村大臣は、国内外の大学や欧米の研究機関などと連携し、先端半導体の設計を担う人材を育成するプログラムを設けることも明らかにしました。

西村大臣は「Rapidusは、日米欧が半導体分野で協力する象徴的なプロジェクトであり、総力を挙げて支援したい」と述べ、今後も必要に応じて追加の支援を検討する考えを示しました。

「Rapidus」北海道 千歳に工場建設

日本の主要な企業8社が出資し先端半導体の国産化を目指す「Rapidus(ラピダス)」は、量産化に向けた工場を北海道千歳市に建設することを2月に表明していました。

「Rapidus」の小池淳義社長は2月28日午前、北海道庁で鈴木知事と面会し、新工場の建設を正式に表明していました。

トヨタ自動車やNTT、ソニーグループなどが出資する「Rapidus」は、自動運転やAI=人工知能など次世代の産業に欠かせないとされる2ナノメートルの先端半導体を4年後の2027年をめどに量産化することを目指しています。

こうした中、半導体の供給先として期待される自動車関連の工場が周辺に立地していることや、新千歳空港へのアクセスもよいことなどから新工場を千歳市の工業団地に建設することを決めました。

会社は2025年に試作ラインを立ち上げた後、2020年代後半に量産ラインを完成させることを目指していて、最終的な敷地面積を100ヘクタール規模に拡張することも検討しています。

会社はすでにアメリカのIT大手「IBM」と共同で研究開発を進めるなどしていて、この決定によって先端半導体の量産化に向けた取り組みが一段と進むことになります。

面会のあと小池社長は記者団に対して「世界中の人たちがここで働きたいと思うような環境のところに工場を作るのが夢だ。千歳から日本や世界に貢献できる半導体を作っていきたい」と述べました。

一方で鈴木知事は「北海道における雇用や投資額が今までにない規模になるので、巨大プロジェクトをしっかり前に進めたい」と述べました。