卒業式や入学式でのマスク着用「5類」見据え推奨せず検討 政府

新型コロナ対策としてのマスク着用をめぐり、政府は卒業式や入学式では感染リスクは高くないとして、着用を推奨しないことなどを検討していて、専門家の意見も聞いたうえで、2月中のできるだけ早い時期に結論を得たい考えです。

政府は、新型コロナの感染症法上の位置づけを5月8日に、季節性インフルエンザなどと同じ「5類」に移行するのを見据え、マスクの着用を個人の判断に委ねることを基本とするよう見直す方針で、与野党双方からは、卒業シーズンを控え、学校現場では先行してルールを緩和するよう求める意見が出ています。

こうした中、政府は卒業式や入学式では式典中に継続的に会話が行われる状況が想定されず、体育館などは換気をしやすいことなどから、感染リスクは高くはないとして、一定の感染対策を講じることを条件に、マスクの着用を推奨しないことを検討しています。

この場合でも、着脱を無理強いすることがないよう求める考えです。

また、1月からイベントの人数制限の措置が緩和されたことも踏まえ、卒業式や入学式でも参加人数を抑える呼びかけをとりやめる案も出ています。

政府は、卒業シーズンが迫っていることを踏まえ、専門家の意見も聞いたうえで、マスク着用に関する社会全体の見直し時期にかかわらず、2月中のできるだけ早い時期に結論を得たい考えです。

卒業式でのマスク 文科相 緩和に向け検討「速やかに決めたい」

卒業式でのマスク着用をめぐって、永岡文部科学大臣は、現時点で政府としての方針は決めていないとしたうえで、緩和に向けて具体的な検討を進めていく考えを示しました。

永岡文部科学大臣は、2日午前開かれた衆議院予算委員会で、学校の卒業式でのマスクの着用について「今の指針では『マスクをしなければ出席したくない』という子どもはマスクをつけ、マスクは外すと家庭で決めた子どもは外しての参加となろうかと思う」などと答弁しました。

これについて永岡大臣は委員会の終了後、記者団に対し「政府の新型コロナ対策本部の決定では、マスクの取り扱いに関して今後早期に見直し、時期も含めてその結果を示すとされており、現時点で卒業式のマスクの取り扱いを決めたという事実はない」と強調しました。

そのうえで「政府全体での検討を踏まえて、卒業式などを含めた学校におけるマスクの着用に関して、今後どのようにするか速やかに決めていきたい」と述べ、マスク着用の緩和に向けて具体的な検討を進めていく考えを示しました。