入管施設で収容中死亡の女性遺族 “国連勧告受け制度変えて”

11月、国連の人権に関する委員会が日本政府に対し、入管施設内の対応の改善をはかるよう勧告したことを受け、去年、名古屋市の入管施設で収容中に死亡したスリランカ人女性の遺族が8日、東京で会見を行い、「勧告を受け止め制度を変えてほしい」と強く訴えました。

各国の人権状況を審査している国連の委員会は11月3日、日本の出入国在留管理庁の施設で去年までの5年間に、3人の収容者が死亡したことを挙げて、「施設内の医療状態が劣悪だという憂慮すべき報告がある」と懸念を示し、改善をはかるよう勧告しました。

これを受けて、去年、名古屋市にある入管施設で収容中に体調不良を訴えて亡くなった、ウィシュマ・サンダマリさん(33)の妹2人が東京で会見を行いました。

遺族は「入管は体調が悪化しても必要な医療を提供しなかった」などとして、国に賠償を求める訴えを裁判所に起こしています。

下の妹のポールニマさんは、「勧告がでたことで、世界的にも日本の入管がどういう扱いをしているのかわかってもらえたと思います。日本政府は勧告を受け止めて制度を変えてほしい」と訴えました。

また、上の妹のワヨミさんは、「姉のような事態は何年も前から繰り返されているのに『国連の勧告を受け止める』という法務大臣のコメントは信じがたいです。言葉だけでなく、行動に移してほしい」と話しました。

代理人の指宿昭一弁護士は、「勧告がでたから日本が変わるということはなく、勧告を受けて市民が声をあげることなどで改革は進むと思う。簡単ではないが諦めずに取り組んでいきたい」と話しました。