G7緊急首脳会合 結束してウクライナ支援などの方針確認

ロシアのウクライナに対する大規模なミサイル攻撃を受け、G7=主要7か国の首脳によるオンラインでの緊急会合が、岸田総理大臣も参加して開かれ、G7で結束してウクライナ支援などにあたっていく方針を確認しました。

緊急会合は、11日夜9時ごろからおよそ1時間半にわたって開かれ、冒頭、ウクライナのゼレンスキー大統領が参加し、ロシアのウクライナに対する大規模なミサイル攻撃を含めた最新の状況を説明しました。

これを受けて、G7首脳による議論を行い、ウクライナの民主的で繁栄した未来を確保するため、連携して支援などにあたっていく方針を確認しました。

また、会合の中で岸田総理大臣は「ウクライナ各地へのロシアの攻撃は民間人や民間施設への攻撃で、いかなる理由であれ正当化することができず、強く非難する」と述べました。

そして「ウクライナにおける『住民投票』と称する行為や、ロシアによる違法な併合は認められない。核兵器の威嚇、ましてや使用もあってはならず、ウクライナを新たな被爆地にしてはならない」と強調しました。

そのうえで、これまでに日本が実施している制裁措置を説明し、日本としてロシアに対する強力な制裁とウクライナ支援の継続を重視しているという認識を伝えました。

一方、岸田総理大臣は弾道ミサイル発射を繰り返す北朝鮮に国際社会で協力して対応し、核軍縮の機運を高めていく必要性を訴え、日本も取り組みを強化していくという考えを伝えました。

会合のあと岸田総理大臣は記者団に対し「本日の会合も踏まえて、法の支配に基づく国際秩序を守り抜くべく、今後もG7各国との間で緊密に連携していきたい。今後のロシアに対する制裁については、G7をはじめとする国際社会と連携する中で、適切に日本としても対応していきたい」と述べました。

また、ロシアによる核兵器使用の可能性について「状況は予断を許さない。深刻に注視しなければならない。核兵器不使用の歴史は継続しなければならないと強く思っているし、きょうの会議でも発言した」と述べました。

G7首脳声明「罪のない市民への無差別攻撃は戦争犯罪に相当」

G7=主要7か国の首脳は、ロシアのウクライナに対する大規模なミサイル攻撃を受けてオンラインでの緊急会合を開き、会合後に発表された声明で「罪のない市民への無差別攻撃は戦争犯罪に相当する」として強く非難しました。

G7首脳のオンラインでの緊急会合は、ウクライナのゼレンスキー大統領も交えて日本時間の11日夜に行われました。

会合のあと発表された声明では、ロシアのウクライナに対する大規模なミサイル攻撃について「罪のない市民への無差別攻撃は戦争犯罪に相当する」としたうえで「最も強いことばで非難する。プーチン大統領などの責任を追及していく」としました。

また、ロシアによる核戦力を念頭にしたウクライナや欧米へのけん制を非難し「ロシアによる化学兵器、生物兵器、核兵器のいかなる使用も重大な結果が伴うことを再確認した」と強調しました。

そして、ロシアにさらに圧力を強化する構えを示すとともに、ウクライナに対しては必要なかぎり支援を続けていく方針を改めて確認しました。

声明ではウクライナへの支援について、インフラ施設などが破壊される中で地元の人たちが厳しい冬を越すための準備も支える考えを示すとともに、復旧や復興に向けてはロシアから没収した資産をあてることも検討するとしています。

ゼレンスキー大統領 高性能な防空システムの供与など訴え

ウクライナのゼレンスキー大統領は11日、G7=主要7か国の首脳による緊急会合にオンラインで参加し、ロシアの攻撃による被害を防ぐため、各国に対して高性能な防空システムのさらなる供与などを重ねて訴えました。

この中でゼレンスキー大統領は、ロシアは10日と11日の2日間にわたり、ミサイルやイラン製のドローンを使って攻撃してきたうえ、新たにイランから2400機のドローンを購入しようとしていると指摘しました。

そのうえで「ウクライナが十分な数の最新で高性能な防空システムの供与を受ければ、ロシアによるテロ行為の重要な要素であるミサイル攻撃は意味をなさなくなる」と述べ、G7各国に高性能な防空システムのさらなる供与などの支援を続けてほしいと重ねて訴えました。

さらにゼレンスキー大統領は「未来のないロシアの指導者との対話はありえない。平和を阻止しているのはモスクワにいるただ1人の人物だ」と述べて、各国がこれまで以上に連携して、ロシアへの圧力を強化するよう求めました。