教員の時間外労働 「過労死ライン」大きく超過 “環境改善を”

教員の働き方について考えるシンポジウムがあり、主催した連合の研究機関は、月当たりの時間外労働が「過労死ライン」を大きく超えているとして、教員の増加など環境の改善を訴えました。

連合の研究機関「連合総合生活開発研究所」は7日、東京でシンポジウムを開き、ことし5月から6月にかけて全国の小中学校や高校などで授業を受け持つ教員9000人余りを対象に行った労働時間の調査結果の速報値を発表しました。

発表によりますと、平日の一日当たりの労働時間は12時間余り、月当たりの時間外労働は123時間余りで、いわゆる「過労死ライン」とされる月80時間を大きく超えたということです。

発表後のパネルディスカッションでは、文部科学省で教員の働き方改革を担当している村尾崇財務課長が「時間外勤務が減ってきているという別の調査結果もあるが、定数の改善や部活動などの一部業務をスタッフに任せるなど、対策を進めたい」と話していました。

今回の調査で分析を担当した早稲田大学大学院の油布佐和子教授は「学校では働き方改革への努力も見られるが、プログラミングや英語など新たな教育内容が増えているため教員の負担は減っていない。教員の定数増加など、早急な環境の改善が必要だ」と話していました。