国葬“説明不足は代償大きい” 立憲民主党 安住国対委員長

安倍元総理大臣の「国葬」をめぐり、立憲民主党の安住国会対策委員長は自民党の高木国会対策委員長に対し、岸田総理大臣がみずから国会で理由などを説明すべきだという考えを伝えました。

立憲民主党の安住国会対策委員長は、8月26日の就任後初めて、自民党の高木国会対策委員長と会談しました。

この中で、安住氏は、安倍元総理大臣の「国葬」をめぐり、政府が今年度予算の予備費からおよそ2億5000万円を支出することを閣議決定したことを踏まえ、予算の全体像が明らかでなく、反対の世論も強いとして岸田総理大臣がみずから国会で理由などを説明すべきだという考えを伝えました。

これに対し、高木氏は「要請は承った」と応じたということです。

「国葬」に関する国会審議をめぐって自民党内では、松野官房長官が出席して対応すべきだという意見があり、今後、政府側と調整を進めることにしています。

安住氏は、記者団に対し「税金を使って『国葬』を行うことを決めた人が説明しないのは、自民党や岸田総理大臣が思っている以上に代償は大きく、結果的には岸田総理大臣に跳ね返っていく話だ。『国民に対して正直であれ』と申し上げたい」と述べました。

これに先立って、安住氏は、共産党の穀田国会対策委員長と会談し、政策テーマごとに、考え方が一致できるものは連携して対応していくことを確認しました。

「国葬」“警備費用含め総額明らかにすべき” 立民 共産など

安倍元総理大臣の「国葬」をめぐり、立憲民主党や共産党などが政府からヒアリングを行い、出席した議員からは、会場周辺の警備や、全国からの警察官の派遣にかかる費用も含めた総額を明らかにすべきだという意見が相次ぎました。

安倍元総理大臣の「国葬」をめぐり、政府は先週の閣議で、会場の設営費やバスの借り上げ料などとして、今年度予算の予備費からおよそ2億5000万円を支出することを決めましたが、周辺の警備にあたる警察官の人件費などは含まれていません。

これを受けて、立憲民主党や共産党などは29日、国会内で政府の担当者からヒアリングを行い、出席した議員からは「警備費などを入れれば2億5000万円では収まらず、実際には数十億円かかるのではないか」という指摘が出されました。

そのうえで、周辺の警備や全国からの警察官の派遣にかかる費用も含めた、総額を明らかにすべきだという意見が相次ぎました。

これに対し、警察庁の担当者は「警護が必要となる要人や、警察官の人数が確定しておらず、現時点では総額を申し上げられない」と述べました。

また、外務省は、海外の要人の渡航費や宿泊費を、政府が負担することは想定していないと説明しました。

一方、政府が国民一人一人に弔意を求めるものではないとしていることについて、出席議員からは自治体に通知を出すなど周知を図るべきだという意見が出されました。

共産 小池書記局長 “「国葬」強行ならば出席できず”

共産党の小池書記局長は、記者会見で「弔意を強制するようなものにならないよう『国葬』という形をとらないことが基本だ。今言われているような形で強行されることになれば、私たちは出席できない」と述べました。

また、政府が「国葬」の経費としておよそ2億5000万円の支出を閣議決定したことについて、小池氏は「式典に限った話で、警備費用なども含めると、総額でいくらかかるかわからない。『国葬』の法的な根拠や費用の問題などについて、岸田総理大臣に国会に出席してもらってただすことは絶対に必要だ」と述べました。