抗原検査キット 増産体制 “薬局でも無料配布を”官房副長官

発熱外来が受診しづらくなっていることから、政府が症状のある人向けに発熱外来で抗原検査キットを配るなど検査キットのニーズが高まっています。メーカーの間では第6波に続いて、再び増産の動きが進んでいます。

静岡県伊豆の国市にある医療用の抗原検査キットのメーカーでは、第6波のときよりもさらに多くの発注があり、今月上旬ごろから本格的な増産体制に入っています。

通常の平日日中の時間帯に加え、夜8時から早朝4時半まで操業しているほか、土曜日も工場を動かすことで、製造量は去年と比べ2倍以上に増やしています。

工場では、従業員が検体を垂らす“テストプレート”の確認をしたり、完成したプレートを包装する作業にあたったりしていました。

この工場では現在第6波並みの生産量を確保しているものの、人員は必要最低限だということで、さらに採用を強化し供給を安定させたいとしています。

また、例年お盆は1週間ほど休み、製造ラインの点検を行うということですが、ことしについては対策を検討しているということです。

抗原検査キットメーカー「タウンズ」の野中雅貴社長は「第6波が落ち着いたあとも増産体制を継続し在庫を確保していたので、第7波が来てもフル稼働を続けることで安定して供給できている。皆様の役に立てるように全社一丸となって引き続き頑張りたい」と話していました。

東京都 医療機関に抗原検査キット9万個余緊急配布

感染の急激な拡大を受けて、検査キットの不足に対応しようと、東京都は7月25日までに、都内のおよそ1000の医療機関に、9万個余りの抗原検査キットを送りました。

都は、医療機関で検査キットが不足していることから、先週、都の在庫分を緊急で配布することを決め、調整を進めていました。

都によりますと、23日の土曜日に、都内の200の医療機関におよそ1万7000個のキットを送ったのに続いて、25日午前中までに、追加で765か所におよそ7万3000個のキットを送ったということです。

都は、医療機関で検査キットが不足しないかなど、今後も状況を見ながら対応していきたいとしています。

“コロナ抗原検査キット 薬局でも無料配布を” 磯崎官房副長官

新型コロナ対策をめぐり、磯崎官房副長官は、医療のひっ迫を防ぐため、国が抗原検査キットを一定数買い上げ、発熱外来に加え、薬局などでも無料で配り、必要な人が検査を受けられる体制を整える方針を示しました。

新型コロナの感染が急拡大し発熱外来が受診しづらくなっている現状を踏まえ、政府は症状のある人が受診前に自分で検査できるよう、発熱外来で抗原検査キットを無料で配る方針を示しています。

これについて、磯崎官房副長官は7月26日の閣議のあとの記者会見で「発熱外来の混雑を緩和をしながら有症状者が健康観察を受けられるようにするため、受診にかえて検査キットによる検査を受けられる体制を整備するよう自治体に要請することにしている」と説明しました。

そのうえで「国が検査キットを一定数買い上げ、都道府県に配布することを調整中だ。発熱外来以外でも薬局や地域外来・検査センターなどで配れるようにしている。地域の実情に応じて総合的に取り組むことで必要な人が検査を受けられるようにしたい」と述べました。