ウクライナに提供へ 自衛隊の防護マスクやドローン 防衛相

ウクライナへの支援をめぐり、岸防衛大臣は閣議のあと記者団に対し、自衛隊が保有している化学兵器に対応した防護マスクと防護服、それにドローンを提供することを明らかにしました。

この中で岸防衛大臣は、ウクライナ政府からの要請を踏まえ、自衛隊が保有している化学兵器に対応した防護マスクと防護服、それにドローンを提供するとして、準備が整いしだい民間の航空機でウクライナの周辺国に輸送する方向で調整していることを明らかにしました。

岸大臣は「ロシアによる国際法違反の侵略に対し、国際社会と結束して、きぜんと行動することは、わが国の安全保障の観点からも極めて重要で、防衛省・自衛隊は、今後もウクライナにできるかぎりの支援を行っていく」と述べました。

政府は先月、自衛隊の防弾チョッキをウクライナに提供するにあたり「防衛装備移転三原則」の運用指針を改正し、国際法違反の侵略を受けているウクライナに殺傷能力のない装備品に限って提供できることを明記しており、防護マスクと防護服もこれにあたるとしています。

一方、ドローンは、市販されている物であり、防衛装備品にはあたらないとしています。

ドローンは「状況監視」のため

防衛省によりますと、今回、新たにウクライナに提供されることが決まったドローンは「状況監視」のために使用されるということです。

具体的には、被害状況の把握に加え、相手の位置を特定するための偵察や、攻撃が命中したかどうかの確認などに使われることも想定されます。

これについて防衛省は「提供する装備品などは、ロシアの侵攻に対する防衛のために使用する」という約束をウクライナ政府との間で交わしており、この範囲内であれば、攻撃を伴う作戦の中で使用されたとしても、防衛装備移転三原則や自衛隊法上の問題はないと説明しています。

一方、ドローンそのものに殺傷能力を持たせ、武器として使われる可能性はないのかという質問に対し、防衛省は「移転三原則や自衛隊法の規定に反しないようウクライナ政府によって適切に使用されると理解している」としています。