“ヤングケアラー”小学生15人に1人「家族の世話」国が初調査

大人に代わって家族の世話や介護をしている「ヤングケアラー」について、国が初めて小学生に調査を行った結果、6年生のおよそ15人に1人が「家族の世話をしている」と答えたことが分かりました。

厚生労働省は、ヤングケアラーの実態を把握するため、ことし1月、全国の小学校から抽出したおよそ2万4500人の小学6年生を対象に初めての実態調査を行い、9700人余りから回答を得ました。

それによりますと「世話をしている家族がいる」と答えたのは6.5%で、およそ15人に1人に上りました。

相手を複数回答で聞いたところ、
▽きょうだいが71%で最も多く、
次いで
▽母親が19.8%、
▽父親が13.2%、
▽祖母が10.3%、
▽祖父が5.5%でした。

世話の内容で最も多かったのは、
▽障害や病気のある家族などの見守りで40.4%、
▽食事の準備などの家事が35.2%、
▽きょうだいの世話や送り迎えが28.5%、
▽入浴やトイレの世話が18.9%でした。

頻度は「ほぼ毎日」が52.9%。

平日の一日に費やす時間は「1時間以上2時間未満」が27.4%で最も多く、「7時間以上」という回答も7.1%に上りました。

学校や大人にしてもらいたいことなどを自由記述で聞いたところ、
▽つらさを分かってほしい
▽自由な時間を増やしてほしい
▽相談できる場所がほしい
▽頑張って世話をしていることを認めてほしい、ほめてほしい
などといった意見が寄せられたということです。

厚生労働省は「おつかいやきょうだいの遊び相手など、お手伝いの範囲内で家族の世話などをしている子どもも含まれているとみられるが、小学生にも一定数のヤングケアラーがいることが分かった。調査結果を踏まえて、訪問支援の拡充などニーズに応じた対策を強化したい」としています。