臨時国会が閉会
各党の受け止めは

今月6日に召集された第207臨時国会は、会期末の21日、衆参両院の本会議で閉会の手続きが行われ、16日間の会期を終えて閉会しました。

この国会では、新型コロナの影響を受けた人などへの支援策が盛り込まれた、補正予算としては過去最大の今年度の補正予算が成立した一方、焦点となっていた、いわゆる文書交通費の見直しは、与野党が合意に至らず、来年の通常国会に議論が持ち越されることになりました。

政府・与党は、来年の通常国会を来月17日に召集する方向で調整しています。

立民 泉代表「10万円相当給付で政策立案力を発揮した」

立憲民主党の泉代表は党の両院議員総会で、「18歳以下への10万円相当の給付で、政府が現金での一括給付も認めたのは、われわれの提案力の成果であり、立憲民主党は政策立案力を発揮した。おかしいことに対する批判力は決して落とさず、批判と提案の両面で、さまざまな弾込めをして、来年の通常国会に臨んでいきたい」と述べました。

公明 山口代表「文書交通費 議論重ねて合意作り出したい」

公明党の山口代表は党の両院議員総会で、「短い国会だったが、最大の目標だった補正予算を成立させることができた。現場で必要とする人に届けることが重要なので、早期の執行を促進したい」と述べました。

また、見直しが見送られたいわゆる文書交通費について、「国民の関心が日割りよりも使途の公開の在り方に向いていることを率直に受け止め、協議の場を設けてはどうかと提案した。協議して合意をつくる国会の営みがなければ国民の疑問や期待に応えることはできず、真摯(しんし)な議論を重ねて合意を作り出したい」と述べました。

維新 馬場共同代表「ちぐはぐなメニュー多かった」

日本維新の会の馬場共同代表は記者会見で、「今の国会で最大のポイントだった今年度の補正予算は、財源のほとんどが借金で賄われていて、中身も18歳以下への10万円相当の給付に代表されるように、ちぐはぐなメニューが多かった」と述べました。

また、野党間の連携については「国民民主党とは今の国会で連携が円滑に進んできた。立憲民主党も『政策立案型』を目指すということで、国家・国民のためになることであれば、われわれはどの政党ともタッグを組んでやるつもりだ」と述べました。

国民 玉木代表「与党は内外の問題に後ろ向きで残念」

国民民主党の玉木代表は記者団に対し、「消費税の減税やガソリンの上乗せ課税を停止するための措置など、公約をしっかりと法案の形で提案できたことは非常によかった。一方で、与党の動きを見ると、いわゆる文書交通費の改革や中国の人権侵害に対する非難決議を行わないなど、内外の問題に後ろ向きで非常に残念だった。来年の通常国会では前に進めるよう引き続き、与党に働きかけていきたい」と述べました。

共産 志位委員長「新自由主義からの転換見られず」

共産党の志位委員長は記者団に対し、「岸田総理大臣は『新自由主義からの転換』をあれだけ訴えていたのに、労働法制の規制緩和や社会保障の切り捨てを改める姿勢を見せなかった。来年の通常国会では、国民に優しく、本当の意味での強い経済をつくるための対案を掲げるとともに、気候危機の打開とジェンダー平等という世界の2つの大問題の解決に向け、論戦を行いたい」と述べました。

れいわ新選組 山口代表「突っ込みどころ満載の国会」

れいわ新選組の山本代表は記者会見で、「事実上170日以上も国会を開かず、今年度初めてとなった補正予算も中身がしょぼく、突っ込みどころが満載の国会だった。今の国会では、委員会などで私たちの考えを伝える機会はほぼなかったが、来年の通常国会では、ないがしろにされてきた人々の生活を立て直すという、私たちの信念を込めた質疑を行いたい」と述べました。