モデルナワクチンを3回目に
東京は19日から3回目開始

新型コロナウイルスワクチンの3回目の接種が進む中、厚生労働省はファイザーに続きモデルナのワクチンを承認しました。

3回目は「2回目までの半分の量」を接種

モデルナのワクチンについて、厚生労働省は16日に18歳以上を対象に3回目の接種に使用することを承認しました。

3回目では、2回目までの半分の量を接種し時期は2回目から6か月以降となります。

来年3月から始める職域接種のほか、これまでファイザーのワクチンを使っていた自治体の個別接種や大規模接種でも使用し、2回目までと異なるメーカーのワクチンを使う「交互接種」を進める方針です。

3回目の接種は今月から医療従事者を対象に始まっていますが、厚生労働省は都道府県に対し、在庫となっているモデルナのワクチンがあれば医療従事者への接種にも配分できると周知しました。

一部の医療機関では17日にも交互接種が始まる見通しです。

岸田首相「早期に具体的な接種取り組みの全体像を」

岸田総理大臣は2回目との間隔をできるだけ短縮する考えを示していて、16日の参議院予算委員会では「できるだけ早期に具体的な接種の取り組みの全体像を確定して自治体に示しスムーズに3回目の接種が進むよう努力していきたい」と述べました。

政府は短縮する対象や期間について検討を進めた結果、2回目との間隔を6か月に短縮する対象を、医療従事者、長期の入院患者、高齢者施設の入所者などに拡大する方針です。

6か月に短縮される対象は1000万人を超える見通しです。

また一般の高齢者は来年2月以降、2回目と3回目の間隔を7か月に短縮する方向で調整しています。

接種間隔の前倒しに伴って必要となるワクチンは、国にある在庫と、現在の供給スケジュールで確保している分で対応が可能だとしています。

一方政府は、健康上の理由などでワクチンを接種できない人を対象に、年内にも各都道府県で予約しなくても無料のPCR検査などを受けられるようにする方針です。

松野官房長官「できる限り前倒しする」

松野官房長官は、午前の記者会見で「3回目の接種については、感染防止に万全を期す観点から既存のワクチンの『オミクロン株』への効果などを一定程度見極めたうえで、優先度に応じ、きょう追加承認されたモデルナ社のワクチンを活用して8か月を待たずにできる限り前倒しする」と述べました。

そのうえで「日本の感染動向や全国の自治体の準備状況、ワクチンの供給力を踏まえたうえで、前倒しの範囲や方法を示したい。現在、関係省庁で検討中であり、専門家の意見も伺いながら自治体と連携してできるだけ早期に対応したい」と述べました。

交互接種の効果は?

交互接種をした場合、有効性はどの程度あるのでしょうか。

厚生労働省によりますと、アメリカで18歳以上を対象に行われた研究では、3回ともモデルナを接種した場合3回目の接種から15日目の中和抗体の値が接種前に比べて10.2倍に上昇したということです。

一方、2回目までファイザーのワクチンを接種した人が3回目でモデルナを接種すると、中和抗体の値はおよそ31.7倍に上昇したとしています。

これらは3回とも同じ量で接種した場合のデータですが、日本ではモデルナで3回目の接種をする場合、2回目までの半分の量で接種することになっています。

3回目に半分の量で交互接種を行った場合の有効性に関するデータについて厚生労働省は現時点で示していません。

東京都 3回目を19日に開始 年末年始も実施へ

東京都は、都の大規模会場で19日から医療従事者などを対象に新型コロナウイルスの3回目のワクチン接種を始め、年末年始も元日を除いて実施する方針です。

都は、感染の再拡大を防ぐために3回目のワクチン接種に向けて都の大規模接種会場の活用を検討しています。

関係者によりますと、すでにある都庁の北展望室の大規模会場に加え、多摩センター駅近くにも会場を設けて、19日の日曜日から順次、3回目の接種を始める方針を固めました。

対象は、医療従事者や救急隊員などとする予定で、年末年始も元日を除いて接種を行う方針です。

予約はインターネットで受け付ける予定で、今後、接種会場を増やすことも検討しています。

都内では、アメリカから帰国して自宅で待機していた女性がオミクロン株に感染していることが16日確認されるなど警戒が高まっています。

都は、3回目の接種を進めることで、新たな変異株などによる感染の再拡大を防ぎたい考えです。