岸田首相「Go Toトラベル」
年末年始の状況見極め検討

国会では、10日、参議院本会議で、岸田総理大臣の所信表明演説に対する2日目の代表質問が行われ、岸田総理大臣は、観光需要の喚起策「Go Toトラベル」の再開時期について、専門家の意見を踏まえながら、年末年始の感染状況などを見極めたうえで検討していく考えを示しました。

▽公明党の山口代表は、観光需要の喚起策「Go Toトラベル」の再開について「今後の観光需要の回復が期待される中、わが国経済のV字回復につなげる効果的な支援策として実施していくことが重要だ。安全・安心で、経済の底上げを図る『Go Toトラベル』の今後の再開について答弁を求める」と質問しました。

岸田総理大臣は「今後の実施にあたってはワクチンや検査も活用し、より安心・安全な仕組みを整えるとともに、週末の混雑回避や中小企業への配慮などを踏まえ新たな制度へと見直す。具体的な開始時期は専門家の意見を踏まえつつ、年末年始の感染状況などをしっかりと見極めたうえで検討していく」と述べました。

また、山口代表は、来月開催されるNPT=核拡散防止条約の再検討会議をめぐり「前回の会議ではできなかった合意文書の採択を目指し、核の透明性の向上や核実験禁止の規範強化など、意義ある成果が得られるよう、核保有国をはじめ、関係国と緊密に連携して臨んでほしい」と求めました。

岸田総理大臣は「NPTは国際的な核軍縮・不拡散体制の礎石であり、核兵器のない世界に向け、実質的な前進となる合意文書が採択されることが重要で、全力で取り組んでいく。今後も、核軍縮・不拡散担当の寺田総理大臣補佐官とともに世界各国に働きかけを続けていく」と述べました。

▽国民民主党の小林正夫参議院議員会長は岸田政権の経済政策をめぐり「この30年間、どうしてわが国の社会経済が低迷を続けたと考えるか。『新しい資本主義』ということばが概念的でよくわからず実現したあかつきには、どのような国になると期待できるのか」と質問しました。

岸田総理大臣は「分配を成長戦略と位置づけることは、これまでの自民党政権の成長戦略とは異なる新しい成長モデルであり、私が目指す『新しい資本主義』だ。力強く成長を実現し、分厚い中間層を取り戻し、国民が豊かに生活できる経済を作り上げていきたい」と述べました。

岸田総理大臣は、沖縄県や鹿児島県などに漂着している大量の軽石をめぐり「回収、処理は災害復旧事業などによる財政的な支援を行い、操業自粛や漁船の故障などの被害は、漁業共済などにより、減収補填(ほてん)や修繕費用への支援を行う。さらに広い範囲に漂着するおそれがあることも踏まえつつ、政府として万全の対応をとっていく」と述べました。

一方、岸田総理大臣は▽「森友学園」をめぐる財務省の決裁文書の改ざん問題や▽去年、日本学術会議が推薦した会員候補6人が任命されなかったことに関連し「これまでも丁寧に説明を行ってきたところで、今後も必要に応じて、しっかりと説明していく。また今後、行政において国民の疑惑を招くことがないように公文書管理法に基づく文書管理の徹底などにもしっかりと取り組んでいく」と述べました。