“内部留保”課税の免除制度
再検討を提言へ 会計検査院

個人経営などの同族会社が蓄えとして内部に残す利益剰余金、いわゆる「内部留保」への課税を免除する制度について会計検査院が調べたところ、この中に課税対象になっている企業よりも財務基盤が強固な会社が含まれていることがわかり、会計検査院は、課税の範囲の見直しも含め、財務省に制度の再検討を提言することにしています。

資本金が1億円以下の個人経営などの「中小特定同族会社」を対象に、内部留保への課税を免除する制度は、中小企業の財務基盤の強化を図ろうと平成19年の税制改正で設けられました。

会計検査院が、免除の対象となっている同族会社のうち、およそ1万6000社を抽出して調べたところ、400社余りが、資本金が1億円を超える課税対象の企業より、純資産と自己資本比率の2つの指標で財務基盤が強固であることがわかりました。

会計検査院は、同じ基準でこれらの会社に課税したとすると総額で310億円を徴収できると試算していて、資本金1億円以下を一律に対象から外している現在の課税範囲の見直しも含め、財務省に制度の再検討を提言することにしています。