果物農家支援の補助事業
“不公平が生じるおそれ”

果物の生産農家を支援する農林水産省の補助事業について、会計検査院が、補助金を出す際の要件が不十分で、農家の間で不公平が生じるおそれがあると指摘したことがわかりました。

この補助事業は、農林水産省の「果樹経営支援対策事業」の1つで、果物の生産農家が、栽培する作物を収益性が高いミカンやリンゴなどに切り替えた場合に補助金が出るものです。

平成19年の開始当初から、補助金の額は生産農家が申告した栽培面積をもとに計算し、植え替える果物の種類などによって10アール当たり17万円から111万円が交付されることになっていました。

しかし、会計検査院が調べたところ、金額の算出は、植え替える果樹の数などを十分確認せずに行われていて、新たに植える木の数を極端に少なくすると、植え替えの費用より補助金が高くなり過ぎるなど、農家の間で不公平が生じるおそれがあることがわかったということです。

指摘を受けた補助金の総額は平成29年度までの2年間だけでおよそ2億5000万円に上り、会計検査院は農林水産省に改善を求め、これまでに、補助金を出す際の要件が見直されたということです。

取材に対し農林水産省は「会計検査院から正式な報告が出ておらず現時点の回答は控えたい」としています。