奈川県内の海水浴場
すべて開設見送り

新型コロナウイルスの感染リスクを避けるため、ことしの夏、神奈川県では、すべての海水浴場が開設されないことになりました。一方で、多くの人が海を訪れることが予想され、どうやって海の安全や浜辺の秩序を守るのか、懸念する声が上がっています。

新型コロナウイルスの感染リスクを抑えることを目的に、神奈川県はことしの夏、海水浴場を設置する場合は、目印を設置して人との距離を確保することなどを求めるガイドラインを示しています。

これを受けて湘南エリアをはじめ、海水浴場を持つ県内の自治体などは、感染リスクを完全に抑えることは難しいなどとして、相次いで海水浴場を開設しないことを決めています。

そして5日、横浜市金沢区の「海の公園」の海水浴場について横浜市が開設を見送ることを決め、これで、ことしの夏、県内に25ある海水浴場はすべて開設されないことが決まりました。

その一方で、ことしも多くの人が海を訪れることが予想されることから、地元では、海の安全や浜辺の秩序をどうやって守るのか、懸念する声が上がっています。

こうした声を受けて県では、地元の自治体などと海の対策について話し合いを進めていて、黒岩知事は4日の記者会見で「安全対策は地元と真剣に考えていきたい」と述べています。

福井 高浜町 町内すべての海水浴場 今季は開設せず

若狭和田海水浴場は、水質や安全管理などの基準をクリアした浜辺に国際的な環境団体が与える認証「ブルーフラッグ」を5年連続で取得していて、去年は県内外からおよそ17万人が訪れた人気の海水浴場です。

高浜町では、4日夜、今シーズンの海水浴場の開設について関係者が検討した結果、若狭和田海水浴場を含む8か所すべてで開設しないことを決めました。

その理由については、浜茶屋の中で密集密接を防ぐことや、水難救助の人員の確保が難しいことを挙げています。

高浜町は、予約が入っている宿泊施設ではキャンセルが予想されるとして、事業者への独自の支援策も検討するとしています。

県内では、美浜町の水晶浜海水浴場も開設が見送られた一方、坂井市の三国サンセットビーチは来月1日に海開きを行って営業することを決めています。

このほか、現在検討中の沿岸の各自治体も来週にかけて最終的な判断を行う見通しです。

宮崎市 青島と白浜の海水浴場は開設へ

宮崎市は5日、市内の海水浴場の開設について、関係者による協議会を開きました。

新型コロナウイルスの影響で、県外では海水浴場の開設を中止するところも出ていますが、協議会は青島と白浜の海水浴場をこの夏、開設する方針を決めました。

期間は来月4日から8月30日までです。

新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、青島海水浴場では3密にならないよう更衣室を臨時に設け、シャワーの利用者には名前や連絡先を記入してもらうことを検討しています。

白浜海水浴場でも更衣室を一度に利用できる人数を制限する方針です。

宮崎市観光戦略課の黒岩寿課長は「海水浴は夏のレジャーの目玉でもあるので、開設することを決めました。利用者の皆様も感染防止対策を理解してもらったうえで楽しんでもらいたい」と話していました。

宮崎市 屋外プールは利用中止

宮崎市は新型コロナウイルスへの感染防止のため、この夏、市が管理する市内18か所の屋外プールすべての利用中止を決めています。

このうち毎年夏にオープンする宮崎市フェニックス自然動物園のプールは、ウォータースライダーや流れるプールが人気で去年はおよそ6万3000人が利用しました。

しかし、ことしはプールではマスクの着用が難しく、更衣室での3密が避けられないことなどから、十分な感染防止対策が取れないと判断し、利用中止を決めました。

動物園を訪れていた家族連れは「子どもが大きくなってきたので、ことしはプールに連れて行けるかなと思っていたので残念です」と話していました。

動物園のプールの責任者、青木大治さんは「楽しみにしていたお客さまも多いと思うので申し訳なく思いますが、ご理解いただきたい」と話していました。

宮崎市内ではこのほか瓜田自然プール、野島川河川プール、それに15か所の児童プールも利用中止が決まっています。