童相談所と警察の連携の
実態 厚労省が調査へ

相次ぐ児童虐待事件で課題となっている児童相談所と警察との連携について、厚生労働省が全国調査を行うことになりました。

児童相談所と警察との連携をめぐっては、政府が去年まとめた児童虐待防止の緊急対策でも柱の一つとされ、虐待によるけがが疑われるケースなどでは情報共有を徹底することなどが盛り込まれています。

厚生労働省は、この連携の実態について、全国の児童相談所を対象に調査を行うことになりました。

調査は来月以降に行われ、児童相談所と警察との間の人事交流についてや、どのような情報を共有しているか、その内容や件数などを調べることにしています。

さらに児童相談所が現在、警察と連携するうえで行っている個別の取り組みについても調査し、参考となる事例を取りまとめるということです。

児童相談所と警察の関係をめぐっては、札幌市で2歳の娘を虐待したとして母親と交際相手の男が逮捕された事件でも連携が不十分だったと指摘されています。

厚生労働省は、今年度中にも調査結果をまとめることにしていて、児童虐待防止に向けた体制を強化したいとしています。

警察庁 連携強化を指示

札幌市で2歳の娘を虐待したとして母親と交際相手の男が逮捕された事件を受けて、警察庁は児童相談所との連携を強化するよう全国の警察に指示しました。

この中で、虐待を受けたおそれのある子どもについて、すみやかに児童相談所に通告することを徹底するとともに、一時保護の必要性などを児童相談所が迅速に判断し適切な対応につなげられるよう、子どものけがの状況だけでなく家庭環境なども含めた、より客観的で具体的な情報を記録に残して児童相談所に伝えることなどを求めています。

山本国家公安委員長は、13日の定例の記者会見で「児童虐待はわれわれの次世代を担う大切な子どもたちの生命・身体の安全を脅かすもので、児童相談所などの関係機関と緊密に連携して取り組むよう警察を指導していく」と述べました。