岸田首相“任命責任 重く受け止める” 柿沢法務副大臣辞任で

柿沢法務副大臣が辞任したことについて岸田総理大臣は、参議院予算委員会で任命した責任を重く受け止めるとした上で信頼回復に全力で取り組む考えを示しました。

この中で岸田総理大臣は「きょう正午すぎに小泉法務大臣が柿沢法務副大臣と面会し辞表を正式に受理した。山田文部科学政務官に続いての辞任で、任命権者としての責任を重く受け止めている」と述べました。

その上で「今回の件を真摯(しんし)に受け止め、国民の信頼を回復できるよう内閣として与えられた課題に全力で取り組んでいく」と述べました。

一方、予算委員会のさなかに辞表が提出され柿沢副大臣が委員会に出席しなかったことについて、岸田総理大臣は「辞表を正式に受理する前の委員会審議で国会の要請に応じず柿沢副大臣が出席しなかったことを申し訳なく思っており、今後二度とこのようなことがないよう対処していく」と述べました。

小泉法務大臣は「私が委員会に出席中に辞表が提出され、直接確認していなかった。法務省として副大臣を委員会に出席させないという判断を法務大臣に諮らないまま事務方の独断で行ったことが確認された。いわば越権行為であり不適切なもので私自身、監督不行き届きを痛感するとともに二度とこのようなことが起きないよう厳しく事務方を指導する」と説明しました。

これを受けて末松予算委員長は「与野党ともに認めた柿沢副大臣の予算委員会への出席が実現されなかったことは誠に遺憾だ。国民の代表である国会に対する義務を果たしていないことにもなる。勝手な判断を法務省が行い、予算委員会の運営を妨げ、権威をおとしめたといっても過言ではない。以後、こういうことがないように強く注意を促す」と述べました。

首相 “法務副大臣の欠席 国会の権威を損なう行為”

岸田総理大臣は参議院予算委員会で、柿沢法務副大臣が辞任することを理由に委員会に出席しなかったことをめぐり、国会の権威を損なう行為だったとしたうえで、内閣として説明責任を果たしていく考えを示しました。

この中で、立憲民主党の杉尾秀哉氏は、柿沢法務副大臣が辞任することを理由に委員会に出席しなかったことをめぐり「はっきり言って憤っている。公職選挙法違反が疑われる極めて重大な事件で、法の執行に当たるべき法務副大臣の疑惑なのに、なぜ本人に説明させず、辞表を受理したのか。私は質問権を奪われた。憲法違反の行為だという意識はあるのか」とただしました。

これに対し、岸田総理大臣は「質問の権利を奪い、国会の権威を損なう行為であり、重大な行為だったと認識している。内閣として国会における責任をしっかり果たしていきたいし、本人も政治家としての説明責任を必要に応じて果たすべきだと思っている」と述べました。

また、小泉法務大臣は「午前中は電話で、午後は対面で法務省の中で柿沢氏と話したが本人は報道されたことをはっきり認め、非常に深い反省の念を表現し、何としても職を辞したいという強い思いだった。その意を尊重したいと感じ、内閣にその旨上申をした」と述べました。