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岡山発 中日ドラフト1位・和気町初のプロ野球選手 草加勝 投手

NHK岡山「もぎたて!」“ことしにかける”
  • 2024年01月10日

和気町出身の草加勝投手は、ドラフト1位でプロ野球の中日に入団しました。和気町出身では初めてのプロ野球選手です。地元の期待を背負う22歳は「1年目は新人王、将来的には『沢村賞』を取りたい」と抱負を語り、新しいステージでの活躍を誓っています。
(岡山放送局 記者 山田俊輔)

立浪監督に認められた大器

草加投手(左)と立浪監督(右)

草加投手は、2023年10月のプロ野球のドラフト会議で、中日から1位指名を受けました。立浪和義監督から「コントロールがよく、スピードも出る。将来的にはエースと言われるようなピッチャーを目指してほしい」と大きな期待を寄せられています。身長1メートル82センチ、体重75キロと細身ながら、ストレートの最速は153キロで、ツーシームやスライダーなどの変化球でバッターのタイミングを外すピッチングのほか、豊富なスタミナも持ち味です。亜細亜大学では、2023年春のリーグ戦で最優秀投手賞とベストナインに選ばれました。

高校時代は西投手を追いかける日々

草加投手は、小学1年生の時に3つ上の兄の影響で野球を始めました。地元の野球クラブでめきめきと力を付けると、高校は、県内屈指の強豪校・創志学園に進学。2年生の夏には、甲子園にも出場しました。しかし、甲子園では登板の機会はありませんでした。チームのエースは、同じ学年で現在は阪神の西純矢投手で、草加投手は控えでした。草加投手は「何をしても西投手には勝てなかった。だから、まずは西投手に追いつこうと意識して頑張っていた」と当時を振り返ります。

高校時代の西投手(左)と草加投手(右)

背中を追いかけてきた西投手からドラフト会議のあとにメッセージが届きました。“おめでとう”ということばとともに“何でも相談して”とか“お互い頑張ろう”ということばもあったそうです。草加投手は「西投手の存在はずっと自分の中にあった。今のままでは全然追いつける存在ではないので、『もっと努力しないといけない』という気持ちになった」とメッセージを受け取った時の心境を明かしてくれました。

“原点”で後輩たちと交流

2023年11月 地元の和気町に帰省した草加投手

ドラフト会議から2週間ほどたった2023年11月。草加投手は地元の和気町に帰省しました。“原点”とも言える小学生時代に所属した地元の野球クラブのイベントに参加し、始球式でピッチャーを務めたほか、写真撮影やサインに応じたり、キャッチボールやウォーミングアップで子どもたちと一緒に体を動かしたりして、交流しました。子どもたちにとって、プロ野球選手になる草加投手は憧れの存在で、常に後輩たちに囲まれていました。

始球式でバッターとしてボールを受けたが、草加投手がマウンドにいると迫力がすごかったし、投げたボールもすごく速かった。先輩である草加さんを見て、僕もどんどんうまくなりたい

一緒にキャッチボールをしてもらって、その時に『下半身を使ったら速いボールを投げられる』と教えてもらった。将来、草加投手みたいなピッチャーになりたい

(草加勝 投手)
「僕自身、小学生時代はそんなにいいピッチャーでもなかったし、コントロールも悪かった。だから、きょうの後輩たちの試合を見ると、当時の僕よりもいい選手がいると感じた。僕が和気町出身で初めてプロ野球選手になれたので、後輩たちが頑張る糧というか目標になれたらと思う。和気町でも野球人口はどんどん減ってきているので、僕がきっかけになって、野球を始めてくれる子どもが1人でも増えればと思うし、野球の楽しさを多くの人に知ってもらいたい」

憧れは“お隣”備前市出身の山本由伸投手

大リーグ・ドジャースに移籍する山本由伸投手(備前市出身)

草加投手が憧れている投手として名前をあげたのが、和気町の隣の備前市出身で、オリックスから大リーグのドジャースへの移籍が決まった山本由伸投手です。2024年はともに新たなスタートを切ります。

(草加勝 投手)
「山本投手は何を投げてもすばらしいし、どのボールもキレがすごい。自分が高校のときからすばらしい投手で、テレビでも見ていた。同じ岡山県出身ということで、同じプロ野球の世界でやりたい思いもあったが、山本投手が先に進むのは、追いかける立場の自分としてもうれしいし、もっと頑張ろうという気持ちになる」

新しいステージに挑戦

山本投手をはじめ、パ・リーグで首位打者のタイトルを獲得した備前市出身でオリックスの頓宮裕真選手など、岡山県出身選手の活躍が目立つプロ野球。先輩たちに続き、さらなる高みを目指す草加投手が新たな一歩を踏み出します。

(草加勝 投手)
「ドラフト1位で取っていただいて、期待もされていると思うので、まずはその期待に応えられるようにというのが一番だ。今のままでは、プロの世界では通用しない。これから練習して、もっとボールのキレを上げて、1年目からしっかり活躍して、新人王を目指す。そして、将来的には『沢村賞』をとれるようなピッチャーになりたい。ドラゴンズの戦力となるためには、まずはけがをせずに、1軍でずっと投げ続けられるのが一番だと思うので、そこを常に頭に置いてやっていきたい」

  • 山田俊輔

    岡山放送局 記者

    山田俊輔

    石川県出身
    2017年入局 初任地は静岡
    2021年に岡山局に
    岡山県政やスポーツなどを担当

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